2020年4月12日日曜日

更生保護制度~目的~その2

更生保護法は,「犯罪者予防更生法」及び「執行猶予者保護観察法」を廃止して,平成19年に作られた比較的新しい法制度です。

法の目的をおさらいします。

(目的)
第一条 この法律は、犯罪をした者及び非行のある少年に対し、社会内において適切な処遇を行うことにより、再び犯罪をすることを防ぎ、又はその非行をなくし、これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善更生することを助けるとともに、恩赦の適正な運用を図るほか、犯罪予防の活動の促進等を行い、もって、社会を保護し、個人及び公共の福祉を増進することを目的とする。


法の目的は,「社会内処遇」でしたね。

それでは,今日の問題です。

29回・問題147 更生保護法の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,矯正施設内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。

3 犯罪及び非行を行うおそれのある者に対して,適切な予防活動を行うことにより犯罪を防ぎ,又はその非行性をなくし,自立と改善更生を助ける。

4 犯罪をした者に対して,本人との契約に基づき,適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

5 犯罪をした者に対して,矯正施設及び社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,自立と改善更生を助ける。

各選択肢で異なるのは,以下の部分です。

1 矯正施設内において適切な処遇を行うこと
2 社会内において適切な処遇を行うこと
3 適切な予防活動を行うこと
4 本人との契約に基づき,適切な処遇を行うこと
5 矯正施設及び社会内において適切な処遇を行うこと


生保護法の目的は「社会内処遇」なので,正解は,選択肢2

2 犯罪をした者及び非行のある少年に対して,社会内において適切な処遇を行うことにより再犯を防ぎ,又はその非行をなくし,自立と改善更生を助ける。



<今日の一言>

社会内処遇であることを覚えておけば,何ら難しくはない問題だと思います。

しかし,そうであっても,簡単に正解することはできません。

なぜなら,この問題の選択肢は,すべて似た内容で統一されているために,より集中して問題を読むことが必要だからです。

しかし,この科目は,国家試験の最後の最後の科目であるために,ここに至るまでにかなり疲れ切ってしまっています。

ヘロヘロになった頭で,シャープな思考を働かすことは簡単ではありません。

午前 2時間15
午後 1時間45

この過酷な試験を乗り切るためには,問題を解く訓練が必要です。

最終的な訓練は,模擬試験で行わなければなりません。

模擬試験の重要性はかなり高いですが,最も受験者が多いソ教連でさえ,1万人はいません。

国家試験の受験者数は,4万人弱なので,約25%しか受験していません。

ソ教連模試を受験せずとも,ほかの模試を受ける人もいると思うので,模試を受験して国試に臨む人は,全体の30%程度だと予測できます。

この模試受験率の2530%という数字は,国家試験の合格率と見事に合致しています。

これは,偶然の一致ではないように思います。

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