社会福祉士のカリキュラムは,令和3(2021)年度から,順次導入されていきます。
新しいカリキュラムによる国家試験は,令和6(2024)年度に行われます。
国家試験で言えば,
第33回
第34回
第35回
第36回
が現在のカリキュラム
第37回
が新しいカリキュラムによるものとなります。
現在のカリキュラムによる国家試験であっても,徐々に新しいカリキュラムの内容が出題されていき,スムーズな移行となることでしょう。
さて,カリキュラムが改正するきっかけとなった報告書を確認してみましょう。
「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」(平成30年3月27日社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会)
この中では,以下のことが書かれています。
はじめに
|
○近年,福祉ニーズの変化等に伴い,社会福祉士の活躍の場は,高齢者支援,障害児・者支援,子ども・子育て支援,生活困窮者支援といった分野のみならず,教育や司法などの様々な分野に拡がってきている。時代やニーズの変化に合わせた各種制度改正が行われているものの,社会福祉士の養成カリキュラムについては,平成19年度に見直しが行われてから10年が経過している。
○当専門委員会が平成27年2月25日にとりまとめた「2025年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」では,地域包括ケアシステムや生活支援における社会福祉士の役割や効果的な活用について,別途,検討することが求められるとされており,多様化・複雑化する地域の課題に対応できる能力をさらに開発・活用していくため,具体的な役割の明確化や実践力の強化等のための方策の検討が必要である。
○一方,平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では,子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域,暮らし,生きがいを共に創り,高め合うことができる「地域共生社会」の実現に向けて,支え手側と受け手側に分かれるのではなく,地域のあらゆる住民が役割を持ち,支え合いながら,自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し,福祉などの地域の公的サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる仕組みの構築が掲げられている。
○こうした中,社会福祉士には,ソーシャルワークの専門職として,地域共生社会の実現に向け,多様化・複雑化する地域の課題に対応するため,他の専門職や地域住民との協働,福祉分野をはじめとする各施設・機関等との連携といった役割を担っていくことが期待されている。
○このため,その養成課程の中で,ソーシャルワークに関する知識や技術,社会保障制度,心理学など,学んだ知識・技術を現場での実践に活かせるよう,より実践的な能力を習得できるような教育カリキュラムを検討するとともに,社会福祉士が地域の中で果たすべき具体的役割を明確化し,関係者に対し,社会福祉士への理解の促進を図るなどの取組が求められている。
|
これを受けて,カリキュラムが改正することとなりました。
「社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて」(令和元年6月28日社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室)
これに沿って,これまで,新しいカリキュラムの科目を紹介してきました。
次回からは,ようやく通常モードに戻ります。
まずは,第33回国試合格を目指して足固めをしていきましょう。