2020年4月4日土曜日

国家試験は,7割が不合格になります


大学生が社会福祉士の国家試験に不合格になると内定が取り消されてしまうこともあるので,確実に合格をつかみ取りたいものです。

しかし,実際の社会福祉士の国家試験は,合格するのは決して簡単な試験ではありません。

現在のカリキュラムでの国家試験の合格率は,以下のようになっています。

合格率
ボーダー
22
27.5
84
23
28.1
81
24
26.3
81
25
18.8
72
26
27.5
84
27
27.0
88
28
26.2
88
29
25.8
86
30
30.2
99
31
29.9
89
32
29.3
88
平均
27.0
85.5

社会福祉士は,名称独占の国家資格です。
相談援助業務自体は,資格がなくても行うことができます。

間口を広くしておいて,国家試験ではグーンと合格率を絞ることで,資格の権威性を高めているものと考えられます。

30回国家試験のボーダーラインは,過去最高の99点となりました。
このことではっきりわかったことは,合格率は最高でも30%程度に抑えたいという意思があるということです。

30回国試では,合格率を上げることで,ボーダーラインは,そこまで引き上げることはせずとも済んだはずです。

しかし,それをしなかったことで,社会福祉士の合格率は,30%程度が適切なラインだと考えていることは明らかになったと考えています。

国家試験は今まで32回実施されていますが,合格率が30%を超えたのはわずか数回です。

合格率30%をキープするためには,70%の人を不合格にしなければなりません。


<今日の一言>

ボーダーを90点程度に保ったままで,30%をキープしなければならない,という国家試験を実施する社会福祉振興・試験センターにとって極めてハードルが高い課題が課せられています。

点数は当てにならないので,いかに上位30%以内に入るかという戦略が求められます。

国家試験問題の難易度自体はそれほど高くはありません。
いかにミスを少なくするかにかかっていると言っても良いでしょう。

人はミスをする生き物です。

ミスが少なければ,合格する30%に入ります。
ミスが多ければ,不合格になる70%に入ります。

何度も不合格になっている人は,なぜミスするのかをしっかり考えることが必要です。
そこを見極めなければ,次回も合格できない70%に入ってしまいます。

現役受験者なら「知識不足だった」ということもあるでしょう。
知識不足は知識をつけると良いですが,おそらく不合格になった年から去年まで,勉強してきたはずです。

ミスをするのは,その人なりの理由があるように思います。


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