生活環境の調整とは?
矯正施設に収容されている者の釈放後の住居や就業先などの帰住環境を調査し,それらを確保することで,更生にふさわしい生活環境を調整すること。
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生活環境の調整は,保護観察官と保護司との協力のもとで行います。
それでは,早速今日の問題です。
第23回・問題-148 更生保護法にいう生活環境の調整に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 生活環境の調整は,本人の改善更生の度合いに応じて行われ,実効性を高めるために,本人の現状を最も把握している矯正施設職員によって行われる。
2 生活環境の調整は,必然的に対象とする者の家族等への介入を伴うので,不当な権力の行使を防止するために,裁判所の発する令状をもって着手される。
3 生活環境の調整は,対象者の釈放後の住居・就業先の確保等を中心に行われる。
4 保護観察所の長は,生活環境の調整を行うに当たり,本人に関する個人情報の秘密保持をいかなる場合においても最優先することが要請される。
5 保護観察所の長には,重大な刑事事件については刑の決定前に,裁判所に対し生活環境調整結果報告書の提出が求められており,その報告書は判決の内容に反映される。
正解は,選択肢3です。
3 生活環境の調整は,対象者の釈放後の住居・就業先の確保等を中心に行われる。
それではほかの選択肢も確認しましょう。
1 生活環境の調整は,本人の改善更生の度合いに応じて行われ,実効性を高めるために,本人の現状を最も把握している矯正施設職員によって行われる。
生活環境の調整を行うのは,保護観察官と保護司です。
2 生活環境の調整は,必然的に対象とする者の家族等への介入を伴うので,不当な権力の行使を防止するために,裁判所の発する令状をもって着手される。
生活環境の調整には,令状は必要とされません。
4 保護観察所の長は,生活環境の調整を行うに当たり,本人に関する個人情報の秘密保持をいかなる場合においても最優先することが要請される。
生活環境の調整に,関係機関と協働が必要な場合は,個人情報を提供することもあります。
「いかなる」は正解になりにくいものです。
5 保護観察所の長には,重大な刑事事件については刑の決定前に,裁判所に対し生活環境調整結果報告書の提出が求められており,その報告書は判決の内容に反映される。
生活環境の調整は,刑事施設へ収容されている間に実施するものです。
仮釈放などには関係しますが,刑の決定には関係しません。