社会福祉士の国家試験を受験するためには,国試を実施する「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」が発行する「受験の手引き」が必要です。
今の時点(8月)で,まだ入手していないという人は,すぐに請求するようにしましょう。
どのくらい勉強したら合格するか
勉強は量ではなく質です。
たとえば,参考書に書かれているものを必死にノートに書いて覚えるという人がいます。子どもの頃に,書いて覚えたという体験からなのでしょう。
漢字や単語を覚えるなら,そういった勉強も有効でしょう。しかし,覚えるのは,漢字や単語ではありません。
しかも国家試験は,筆記式ではありません。
歴史の試験なら,「小河滋次郎」を「小河滋二郎」と間違って書いたら不正解になりますが,社会福祉士の国試は,そういった試験ではありません。
必要なのは,小河滋次郎を正しく書けることでは,大阪で民生委員の源流となる方面委員制度を作ったという知識です。
ノートに書く勉強は,時間ばかりかかって,効果は薄いと言えます。
理由は,ノートに書くことで満足してしまって,理解したということにならない恐れがあるからです。
このような勉強を1日1時間かけて勉強したところで,合格は遠いと言えるでしょう。そういった意味で,国試のために別ノートを作るのは,おすすめしません。
それでも「私は書いて覚える」という人がいます。
理由を聞くと「今まではそれでやってきたし,介護福祉士やケアマネ試験もそれで合格したから」と言います。
勉強方法は,人それぞれで良いと思いますが,目的は「国家試験に合格すること」です。
おすすめの勉強法
もう既に参考書にはいっぱいマーカーを引いているかと思いますが,これより先はマーカーを引くのはやめにしましょう。
その代わりに,参考書のすき間に,メモするようにしましょう。
先ほどの方面委員を例に出すと,
岡山の済世顧問制度と間違わないように注意!
などです。
参考書が色とりどりのなっているといかにも勉強したという感じがすると思いますが,マーカーを引くことで覚えたつもりになっていることがあります。
必要なのは,国試で点数が取れる勉強です。
決してきれいなノートを作ることや参考書をカラフルに彩ることではありません。
国試会場に行くと,カラフルな参考書などを持ち込んで,ギリギリまで勉強している受験生がたくさんいます。
そういった光景は,つわものに見えて,意気消沈しそうです。
しかし,よくよく見てみると,折り目や手あかがほとんどなく,きれいなままの人がたくさんいます。
そういった人は,3か月勉強組だと判断できます。
国家試験を受験する人であっても,多くの人は知識不足で国試に臨んでいます。
1日1時間勉強であってもノーツに書き写す勉強で合格できる試験ではありません。
参考書で基礎力をつけて,過去問で国試問題に慣れて,模擬試験で実践力を養うといった地道で計画的な勉強が必要です。
次回からは,第29回国試の専門科目を学んでいきたいと思います。