医療法で定められている医療機関には,以下のようなものがあります。
病院
|
病床数20床以上の医療施設
|
診療所
|
病床数19床以下の医療施設
|
介護老人保健施設
|
介護保険法の規定による介護老人保健施設
※介護保険法の規定
要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設
|
介護医療院
|
介護保険法の規定による介護医療院
※介護保険法の規定
要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設
|
助産所
|
助産師が助産業務を行う施設
|
地域医療支援病院
|
承認するのは,都道府県知事。
・他の病院等から紹介された患者に対する医療の提供,医療従事者の研究等の体制が整備されていること。
・救急医療を提供する能力を有すること。
・地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること。
・200床以上の入院施設を有すること。
|
特定機能病院
|
承認するのは,厚生労働大臣
・高度の医療を提供する能力を有すること。
・高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
・高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
・医療の高度の安全を確保する能力を有すること。
・400床以上の入院施設を有すること。
|
臨床研究中核病院
|
承認するのは,厚生労働大臣
・特定臨床研究に関する計画を立案し、及び実施する能力を有すること。
・他の病院又は診療所と共同して特定臨床研究を実施する場合,特定臨床研究の実施の主導的な役割を果たす能力を有すること。
・他の病院又は診療所に対し、特定臨床研究の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う能力を有すること。
・特定臨床研究に関する研修を行う能力を有すること。
・10以上の診療科を有すること。
・400床以上の入院施設を有すること。
|
臨床研究中核病院は,2015年に創設されたものですが,まだ国試で出題されたことがありません。
このほかにも,診療報酬で評価される医療機関もあります。
それでは,今日の問題です。
第29回・問題71 医療機関の基準に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特定機能病院は,都道府県知事の承認を受けることとされている。
2 地域医療支援病院は,100床以上の病床を有することとされている。
3 診療所は,最大20人の患者を入院させる施設であることとされている。
4 在宅療養支援病院は,在宅医療の担当医師を1名以上配置することとされている。
5 在宅療養支援診療所は,24時間,往診が可能な体制を確保することとされている。
難易度は中くらいです。
今なら,それほど難しくないかもしれませんが,在宅療養支援病院/診療所が初めて出題されたのはこの時が初めてだったからです。
この次の年の第30回に続けて出題されています。
それでは解説です。
1 特定機能病院は,都道府県知事の承認を受けることとされている。
特定機能病院の承認は,厚生労働大臣が行います。
2 地域医療支援病院は,100床以上の病床を有することとされている。
地域医療支援病院の承認要件は,200以上のベッド数を有することです。
特定機能病院,臨床研究中核病院ともに400床以上です。
100床や300床といったものはないことに着目したいです。
3 診療所は,最大20人の患者を入院させる施設であることとされている。
診療所は最大19人の患者を入院させる医療施設です。
4 在宅療養支援病院は,在宅医療の担当医師を1名以上配置することとされている。
在宅療養支援病院の認定基準は,在宅医療の担当医師を3名以上配置することとされています。
5 在宅療養支援診療所は,24時間,往診が可能な体制を確保することとされている。
これが正解です。