今回は,タイプA行動パターンを取り上げます。
タイプA行動パターンとは,心筋梗塞などの虚血性心疾患になりやすい人は,攻撃的,競争心が強い,せっかちなどの行動がみられるというものです。
医師のフリードマンとローゼンマンによって提唱されました。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題10 次の記述のうち,フリードマン(Friedman,M.)とローゼンマン(Rosenman,R.H.)によって提唱されたタイプA行動パターンに関するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 同時にいくつもの仕事を引き受けて,次々にやってくる締切りに追われる。
2 課題に取り組むときは,1つのことにじっくり時間をかけて行う。
3 他の人との競争を嫌い,競争のない場面で本来の力を発揮する。
4 他の人に親しみを感じやすく,柔和で協力的な対応をする。
5 成果を挙げたとしても,組織内での地位にはこだわらない。
パーソナリティは,たびたび出題されますが,タイプA行動パターンが出題されたのは,第11回国試とこの第28回国試のたった2回です。
第11回の時には,以下のように出題されました。
タイプA行動(タイプA性格)は,A型の血液型の人によくみられる特色である。
血液型による性格分類がされますが,根拠は一切ありません。
さて,今日の問題は,タイプA行動パターンを知らなくても正解できる可能性を持っています。
この問題の正解は,選択肢1です。
1 同時にいくつもの仕事を引き受けて,次々にやってくる締切りに追われる。
これ以外の選択肢とこの選択肢はタイプが違うことがわかるからです。
選択肢1だけが,せかせかしています。
以下は,ゆったりしたタイプだと思いませんか?
2 課題に取り組むときは,1つのことにじっくり時間をかけて行う。
3 他の人との競争を嫌い,競争のない場面で本来の力を発揮する。
4 他の人に親しみを感じやすく,柔和で協力的な対応をする。
5 成果を挙げたとしても,組織内での地位にはこだわらない。
これらをタイプに分けるとすると,タイプA行動パターンとは逆のタイプB行動パターンだと言えます。
<今日の一言>
国家試験の一つひとつの問題は,決して難しくありません。
難しいと思うと,今日の問題の解き方はおそらくできないでしょう。
国家試験は,時には柔軟な思考も必要です。