社会福祉士の国家試験の合格率が高い年でも,30%程度です。
このように聞くと,とてつもなく難しい試験のように思うでしょう。
このイメージは,中途半端な気持ちの受験者をふるい落とします。
勉強不足の人は「どうせ自分は合格しないから」と思って,合格するための勉強に力が入らなくなってしまいます。
真面目に勉強した人にとって,「難しい試験だ」と思う人が多いことは有難いことです。
自分から勝手に脱落していってくれるからです。
しかし,本当はイメージほど難しくはありません。
合格するためには,確実な知識は欠かせません。しかし知識にない問題も出題されます。
このような問題にどのように対応するかがとても重要です。
今日の問題もそういったタイプの問題だと言えるかもしれません。
第28回・問題31 生活困窮者自立支援制度における自立支援の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 行政担当者に,生活困窮者の早期発見を目的とする地域巡回を義務づける。
2 自己肯定感の回復や居場所・役割の発見につながる支援を重視する。
3 包括的・継続的な支援では,当事者との毎日の面談が求められる。
4 就労支援は除かれる。
5 生活福祉資金貸付事業により資金を借り受けている世帯は対象としない。
生活困窮者自立支援法は勉強したけれど,支援のあり方までは勉強しなかった。わからない,どうしようと思う人は,ミスします。
こういった問題は,とにかく頭を柔らかくして,先入観なしに考えることが重要です。
ちょっと,問題を加工してみましょう。
生活困窮者に対する自立支援の在り方に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 行政担当者に,生活困窮者の早期発見を目的とする地域巡回を義務づける。
2 自己肯定感の回復や居場所・役割の発見につながる支援を重視する。
3 包括的・継続的な支援では,当事者との毎日の面談が求められる。
4 就労支援は除かれる。
5 生活福祉資金貸付事業により資金を借り受けている世帯は対象としない。
答えは,
2 自己肯定感の回復や居場所・役割の発見につながる支援を重視する。
この選択肢が浮き上がって見えてきませんか?
国家試験はこんなものです。
こういった問題をいかにミスすることなく,正解するためには,頭を柔らかくすることが大切です。
<今日のヒント>
得点力を高めるために一つ解説したいと思います。
1 行政担当者に,生活困窮者の早期発見を目的とする地域巡回を義務づける。
3 包括的・継続的な支援では,当事者との毎日の面談が求められる。
どちらも同じような論調の文だと思いませんか?
正解を1つ選ぶ問題なら,両方が正解になり得ます。
しかし,この問題は正解を1つ選ぶものです。
したがって,2つの選択肢とも消去できます。
4 就労支援は除かれる。
5 生活福祉資金貸付事業により資金を借り受けている世帯は対象としない。
この2つを消去することはそれほど難しくありません。
ということで,得点するための分かれ道は,選択肢1と3を消去できるかできないかということになります。
国試会場にまで,チームfukufuku21のメンバーはついていくことはできません。
国試当日は,皆さんが自分で考えて,正解を探り出してくださいね。