今回は,社会集団を取り上げたいと思います。
「社会理論と社会システム」は,本当にバラエティに富んだ出題がなされる中,社会集団は,とてもスタンダートな出題がなされるものです。
どの参考書にも必ず記載されているものでしょう。
今日は,前説なしに問題です。
第28回・問題19 社会集団に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 ゲマインシャフトとは,本質意思に基づく結合が解体した,近代以降の社会集団である。
2 インフォーマルグループとは,メンバーの親密な相互関係を通じて形成される集団である。
3 第一次集団とは,家族や親族などの第二次集団とは異なる,会社や学校などの社会集団である。
4 コミュニティとは,特定の関心を共同して追求するために設立された,人為的な機能集団である。
5 アソシエーションとは,地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。
勉強不足の人は,難解さに目を回す問題かもしれません。
勉強した人でもこういった問題を見るとドキドキすることでしょう。
同じ表現では出題されないので,理解せず,丸暗記だけの人は表現が変わると理解不能に陥ります。
しかし,落ち着いて問題を読めば,答えが見えて来ます。
正解は,選択肢2です。
2 インフォーマルグループとは,メンバーの親密な相互関係を通じて形成される集団である。
よくよく読んでみると,インフォーマルグループを述べた何もひねりも文章ですが,国試会場ではさまざまな要因が交錯して,冷静に文章が読めないのです。
過去問を解けば,初回だけ難しく思うかもしれませんが,2回目に解くときは,これしか正解に見えないことでしょう。
そこが国試の怖いところです。本当は,初回に感じたように,決して簡単ではないのです。
何度も問題を解くとそのことを忘れがちになるので注意が必要です。
それではほかの選択肢です。
1 ゲマインシャフトとは,本質意思に基づく結合が解体した,近代以降の社会集団である。
ゲマインシャフトは,本質意思に基づく結合です。
3 第一次集団とは,家族や親族などの第二次集団とは異なる,会社や学校などの社会集団である。
第一次集団と第二次集団が逆になっています。
4 コミュニティとは,特定の関心を共同して追求するために設立された,人為的な機能集団である。
この文章は,アソシエーションのことを述べたものです。
5 アソシエーションとは,地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。
この文章は,コミュニティのことを述べたものです。
一つひとつを分解してみると,それほど難しいものではないことがわかることでしょう。
ちゃんと勉強した人は,正解できるように作られているのが,今の国家試験です。
わき目をふらず,確実に理解しながら覚えていくことが何よりも大切です。