現時点(11月下旬)から国家試験までは2か月ちょっとです。
試験対策の先生は,白書などに目を通すように言いますが,それはこれからの時期には,不適切だと思います。
なぜなら,膨大な情報量の白書などに目を通しても,どこから出題されるかわからないからです。
参考書でさえ,覚えるのに苦労しているのに,どこから出題されるかわからないものを覚えるのは,あまりにも非効率的だと思いませんか。
情報量の多い白書などを読んでも,出題されるのは,たったの1問です。
時間の限られるこれからの時期に行う対策ではないように思います。
それよりも,国試によく出る内容を確実に覚えた方が得点は稼げるのではないでしょうか。
これからの時期に白書などに目を通すことに効果があるのは,既に仕上げ段階にある人です。
多くの人は,これからどんどん実力をアップさせていく時期なので,基本事項をがっちり押さえていくことが大切です。
それでは今日の問題です。
第28回・問題27 「平成26年版厚生労働白書」における我が国の健康や寿命に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 「健康日本21」(第二次)では,「健康寿命」について具体的な数値目標が設定された。
2 「健康寿命」と「平均寿命」の差は,2010年(平成22年)時点で,男女ともに3年未満である。
3 「健康寿命」と「平均寿命」の差を一定に保つことは,重要な政策目標である。
4 地域のつながりの強化は,健康づくりのための政策目標とはされていない。
5 生活習慣病関連疾病は,2013年(平成25年)時点で死因の約6割を占めている。
(注) 生活習慣病関連疾病とは,ここでは悪性新生物,高血圧性疾患,脳血管疾患,心疾患,糖尿病などを指す。
このような問題が出題されると,「勉強していなかった。やはり白書に目をとおしておくべきだった。学習部屋の言うことを信じるべきではなかった」と思うでしょう。
1点差で不合格になる人はたくさんいます。
しかし,今日の問題のような問題が正解できなかったことで,1点足りなかった,ということよりも,落ち着いて問題を読めば解けただろう問題で正解できないことの影響が大きいと思います。
過去に受験して,合格できなかった方は,おそらくその後,悔しくて辛くて,問題を振り返ることをしていないと思いますが,振り返ってみると,そんな問題はたくさんあるはずです。
さて,今日の問題の正解は,選択肢5です。
5 生活習慣病関連疾病は,2013年(平成25年)時点で死因の約6割を占めている。
おそらく,白書を読んでいても,このことを覚えている人は,それほど多くはないでしょう。
白書に目を通しておくことで,もしかすると選択肢1は消去できたかもしれません。
選択肢2・3・4は,白書に目を通していなくても,消去できる可能性があるので,この問題を正解できるためには,選択肢1が分かれ道だったのかもしれません。
つまり白書に目を通さずとも,正解できる確率は50%です。
勉強したことのない問題であっても,正解できる確率が50%あることは,かなりよい確率です。
一つも消去できる選択肢がなければ,正解できる確率は,20%しかありません。
50%を確保できれば,上々です。
国試合格で重要なことは,出るか出ないかわからないものに時間をかけるよりは,参考書などに書かれているものを確実に覚えていったほうが効率です。
それでは,不安だ,という人もいるでしょう。その時に役立つのが模擬試験の解説集です。
模擬試験は受けっぱなしにすることなく,解説を読んで,不安材料をつぶしておきましょう。