2020年11月7日土曜日

内集団と外集団

今回は,内集団について学んでみたいと思います。


内集団は,外集団とともにサムナーという人が提唱した概念です。

例のごとく,名前を覚える重要性は低いです。


内集団

外集団

私たち(仲間)と認識している集団

彼らと認識している集団


共通の敵(彼ら)がいると,内集団の凝集性が高まります。


これでは今日の問題です。


第28回・問題11 個人と集団の関係に関する次の記述のうち,内集団バイアスの説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 各個人が,自分が属する集団の大多数と自分の意見が違う場合に,自分の意見を変えて多数の意見に従うこと。

2 各個人が,自分が属する集団の成員のことを,それ以外の集団の成員よりも好意的に評価すること。

3 各個人の意見が,集団内で発せられる極端な意見に影響されて,極端な方向に動いてしまうこと。

4 各個人が,自分が属している集団に魅力を感じていること。

5 各個人が,自分が属している集団の成員が共有する,規範や思考様式をもつこと。


内集団バイアスは,内集団ひいきとも呼ばれます。


内集団,つまり私たちと認識している集団に対して,どんなひいきをするのか,というがこの問題のポイントです。


間違ってしまいそうなのは,選択肢4です。

しかし,これではひいきしているとは言えません。


正解は,選択肢2です。


2 各個人が,自分が属する集団の成員のことを,それ以外の集団の成員よりも好意的に評価すること。


これはひいきだと言えるでしょう。


それでは,解説です。


1 各個人が,自分が属する集団の大多数と自分の意見が違う場合に,自分の意見を変えて多数の意見に従うこと。


これは同調のことを述べたものです。


3 各個人の意見が,集団内で発せられる極端な意見に影響されて,極端な方向に動いてしまうこと。


これは,集団思考のことを述べたものです。


集団思考のうち,危険な結論を導くのはリスキーシフト,逆に無難な結論を導くのはコーシャスシフトといいます。


4 各個人が,自分が属している集団に魅力を感じていること。


これは,凝集性を述べたものです。


5 各個人が,自分が属している集団の成員が共有する,規範や思考様式をもつこと。


これは,集団規範を述べたものです。


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