今回から科目は「心理学理論と心理的支援」に入ります。
この科目を苦手だと思う人も多いように思いますが,それは人の名前が多く出てくるからでしょう。
しかし,実際の国試では人の名前自体を問われることはほぼありません。
必要なのは,その内容です。
さて,今回は,達成動機について学びましょう。
達成動機とは,何かをやり遂げようとする時の気持ちの持ち方を言います。
達成動機が高い人は,目標を達成するために努力します。その努力の結果として,目標を達成すると満足します。
そして目標を達成することができたのは,自分の努力の結果だと考えます。
もし,目標を達成できなかった場合は,努力が足りなかった結果だと考え,さらに努力します。
それに対して,達成動機の低い人は,たとえ目標を達成したとしても,自分は運が分かったなどと考え,満足を得ることができません。
目標を達成できなかった場合には,問題が難しかった,自分は運が悪かった,問題の答えを変えなければ合格点に達していた,といった考え方をします。
せっかく国試合格に向けて頑張るなら,達成動機の高い人になりたいものです。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題8 次の記述のうち,達成動機の高い人に関するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
1 自分が取り組んだ課題に失敗すると,その原因を運などの外的要因のせいにする。
2 高い目標を設定し困難な課題に果敢に挑戦しようとする。
3 自分が下した決定に対する責任を重視しない。
4 一緒に働く同僚として,有能な人よりも親しみのもてる人を選ぶ。
5 自分が挙げた成果については気にしない。
第28回国試は,問題づくりが下手な人が多かったのか,おかしな文章の選択肢が目立ちます。
そのような文章になったのは,正しい文章を否定形にする作問方法を用いているためです。
この問題の場合は,選択肢3と5がそれに当たります。
この2つがあるために,達成動機を知らなくても正解できる確率が上がっています。
残るは,
1 自分が取り組んだ課題に失敗すると,その原因を運などの外的要因のせいにする。
2 高い目標を設定し困難な課題に果敢に挑戦しようとする。
4 一緒に働く同僚として,有能な人よりも親しみのもてる人を選ぶ。
このうち,達成動機が高い人は,選択肢2だろうと推測できるでしょう。
正解は,選択肢2です。
このように,勉強不足の人でも解ける可能性のある問題は,資格試験としてはあまり適切なものではないと言えます。
なぜなら,知識の差が表れないからです。
しかし,もし今日の問題を正解できなかったとしたら,かなりの致命傷となるでしょう。
<今日の一言>
国試に合格したら,必ず「自分の努力の結果だ」と考えましょう。
そして,周りの人には,「自分は運が良かったから合格できた」といったことは,照れ隠しであったとしても言わないようにしましょう。
社会福祉士の国試は決して,運が良くて合格できる試験ではありません。地道な努力があってこそ合格できる試験です。
今の国試は,日本語的に解ける問題はほとんどありませんし,ましてヤマを張って合格できるほど出題範囲が狭い試験ではありません。
出題基準に示された範囲を確実に地道に押さえていくことが何よりも大切です。その努力ができた人が「合格」をつかみ取れる試験です。
私たちチームfukufuku21は,そういった方を本気で応援するサポーター集団です。
「頑張れ」なんてありきたりのことは言いません。
合格に必要な知識・実力をいかにつかむかを追求しています。