2021年7月14日水曜日

課題中心アプローチ

 今回は,課題中心アプローチを取り上げます。

 

〈課題中心アプローチの特徴〉 

提唱者:リードとエプスタイン

影響を受けているもの:プラグマティズム(実用主義)。また,心理社会的アプローチ,問題解決アプローチ,行動変容アプローチにも影響を受けている。

特徴的な部分:課題を明らかにして,ワーカーとクライエントが達成可能な目標を期限を定めて共有化すること。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題102 リード(ReidW.)とエプスタイン(EpsteinL.)が提唱した課題中心アプローチに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ストレングスモデルの影響を受けている。

2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。

3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。

4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。

5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。

 

 

この問題は,ポイントを押さえて勉強した人なら,答えがすぐわかるはずです。

 

あなたは,すぐわかりましたか?

 

それでは解説です。

 

1 ストレングスモデルの影響を受けている。

 

課題中心アプローチは,たくさんのものに影響を受けていますが,ストレングスモデルは当てはまりません。

 

ストレングスモデルは,クライエントのもつストレングス(強み)に着目した援助スタイルです。

 

それに対して,課題中心アプローチは,クライエントの課題を明らかにして,その課題を解決するものです。

 

まったく違うことがわかるでしょう。

 

2 過去に起きた出来事について探索し,問題の原因を究明する。

 

問題の原因を究明するのは,医学モデルでしょう。課題中心アプローチのポイントは,今起きている課題です。

 

3 支援期間を短期に設定し,処遇目標や面接の回数などを明確化する。

 

これが正解です。

 

課題中心アプローチは,短期処遇が特徴です。

 

4 クライエント自らが解決困難と考える問題を,支援対象とする。

 

課題中心アプローチは,クライエントとともに課題を明らかにして,期限を決めてその課題を解決していきます。

 

クライエントが解決困難だと考えると,課題中心アプローチは使えません。この点は,問題解決アプローチも同じです。

 

 5 精神分析的な方法を用いて,クライエントのアセスメントをする。

 

精神分析を直接的に使うのは,心理社会的アプローチです。

 

心理社会的アプローチは,クライエントとワーカーのコミュニケーションを通して,クライエントのパーソナリティの変容を目指していきます。

 

そのため,課題中心アプローチの短期処遇とは逆に,時間をじっくりかけてかかわっていきます。

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