前回に引き続き,今回も社会資源を取り上げます。
まずは,社会資源の整理です。
フォーマルな社会資源 |
制度化されたもの。 例:介護保険サービス,障害福祉サービスなど。 |
インフォーマルな社会資源 |
制度化されていないもの。 例:家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなど。 |
社会資源とは,クライエントの福祉ニーズの充足のために用いられるものです。
別な言い方をすれば,クライエントの福祉ニーズの充足のために用いられるものはすべて社会資源です。
これらをしっかり押さえたところで,今日の問題です。
第30回・問題112 事例を読んで,E家庭支援専門相談員(社会福祉士)が行った社会資源のアセスメントに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Y乳児院に入所しているFちゃん(2歳)の母親は,自身の慢性疾患による病状が安定したことから,引取りを希望している。そのため,E家庭支援専門相談員はFちゃんの退所を検討することとした。面談の結果,母親の状況として把握したことは以下のとおりである。
退所後は,母親とFちゃんの二人で暮らす予定である。親族は他県に住む母親の姉だけである。近隣の人とは挨拶程度の付き合いである。
1 近隣の人は,挨拶程度の付き合いなので社会資源に該当しないと判断する。
2 他県に住む母親の姉は,遠方なので社会資源に該当しないと判断する。
3 母親のかかりつけ医は,Fちゃんにとっても社会資源に該当すると判断する。
4 地域子ども・子育て支援サービスを利用するために必要な情報は,社会資源に該当すると判断する。
5 退所した乳児院は,社会資源に該当しないと判断する。
この問題は,つくり方は下手だなぁと思います。
社会資源に該当しないと判断する 3つ
社会資源に該当すると判断する 2つ
正解は2つ
社会資源に該当すると判断するの2つが正解になりやすいと言えます。
整理すると
社会資源に該当しないと判断する
1 近隣の人は,挨拶程度の付き合いなので社会資源に該当しないと判断する。
2 他県に住む母親の姉は,遠方なので社会資源に該当しないと判断する。
5 退所した乳児院は,社会資源に該当しないと判断する。
社会資源に該当すると判断する
3 母親のかかりつけ医は,Fちゃんにとっても社会資源に該当すると判断する。
4 地域子ども・子育て支援サービスを利用するために必要な情報は,社会資源に該当すると判断する。
明らかに色づけが異なりますね。
正解は,選択肢3と4ということになります。
とてもわかりやすいでしょう。
なぜこのようになるのかと言えば,社会資源に該当しない,というものを正解にしようと思ったらかなり難しいからです。該当しない,といった言い切りのものが正解になりにくいのはそうった意味です。