ネット回線を用いたICTの発展は,生活そのものを大きく変えました。
しかし,活用できる人と活用できない人には,大きな格差が生じます。
第34回国試の申し込みは,過去に受験したことがある人はインターネットからできるようになりました。受験の手引きを取り寄せなくても受験申込みできる道が開いたのです。
しかしそういったものを使えなければ,従来通りの申し込みをする必要があります。
そういったICTに関しての情報格差を「デジタル・デバイド」といいます。
インターネットでのサイトのみ確認できるような情報は,そこにアクセスできなければ入手することができません。
とはいうものの活用できるものはどんどん活用していくことが大切です。
そのうえで,アクセスできない人の対応をどうするかを同時に考えていきます。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題118 社会福祉領域における情報通信技術(ICT)の活用に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
1 情報リテラシーとは,情報通信ネットワークを利用するのに必要な知識や技術のことである。
2 デジタル・デバイドとは,福祉情報の積極的な活用を意味する。
3 データベース化された業務情報の活用には,データファイルの管理運営が大切である。
4 援助における情報収集の段階で,ⅠT機器による音声・画像の記録は禁止されている。
5 電子メールによる相談は,個人情報保護の観点から受け付けられない。
ICTに関連する用語はカタカナのものが多いです。
ソーシャルワークの比ではありません。
覚えるのは大変ですが,別な言い方をすれば,日常生活の中でも得られる情報でもあります。
ミスしないようにしっかり考えて答えましょう。
それでは,解説です。
1 情報リテラシーとは,情報通信ネットワークを利用するのに必要な知識や技術のことである。
これが1つめの正解です。
現在では,小中学校でも情報リテラシーに関する授業を行っています。
2 デジタル・デバイドとは,福祉情報の積極的な活用を意味する。
前説のとおり,デジタル・デバイドは,ICTに関する情報格差です。
便利になればなるほど格差は大きくなります。
3 データベース化された業務情報の活用には,データファイルの管理運営が大切である。
これがもう1つの正解です。
4 援助における情報収集の段階で,ⅠT機器による音声・画像の記録は禁止されている。
これはよくよく考えてみると,おかしなものです。
音声・画像の記録が禁止されている,とのことですが,どの法律で禁止されているのでしょうか。
もちろん誤りです。
5 電子メールによる相談は,個人情報保護の観点から受け付けられない。
電子メールでの相談は,とても重要です。
対面では話しにくいことでもメールでは相談できることもあります。
もちろん個人情報の保護は重要です。