ストレングスとは,「強み」と訳されます。
ソーシャルワークでは,クライエントのストレングスに着目して,アプローチしていきます。
なお,ストレングスは,クライエントの内部だけではなく,クライエントの外部にも見出すことができます。
それでは今日の問題です。
第30回・問題94 事例を読んで,NPO法人の職員(社会福祉士)によるストレングス視点に基づくボランティアへの発言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
T町の基幹産業は農業であったが,従事者の高齢化や人口減少により担い手の確保に困っていた。そこで,地元農家が農福連携で障害者雇用機会の拡大を目的としてNPO法人を立ち上げた。今日は,障害者支援施設から軽度の知的障害のある十数名の利用者が,初めて農作業体験に来ており,地元の大学生ボランティアに作業に付き添ってもらうことにした。
1 「もっと農作業をしたいと本人が望んでも,全員同じ作業量を守ってください」
2 「行った農作業以外に関心を示していた作業があれば,報告してください」
3 「本人が困っていたら,あなたが代わりに農作業を行ってください」
4 「農作業に変化をもたせるために,短時間で違う農作業に移らせてください」
5 「利用者同士が農作業中に話をしていたら,話さないように注意してください」
事例問題は,あいまいさは許されません。
答えは,極めて明確です。
2 「行った農作業以外に関心を示していた作業があれば,報告してください」
これが正解です。
行った農作業以外に関心を示すことにストレングスを見出そうとしています。
この選択肢以外は,本人の可能性をすべてつぶしています。
1 「もっと農作業をしたいと本人が望んでも,全員同じ作業量を守ってください」
3 「本人が困っていたら,あなたが代わりに農作業を行ってください」
4 「農作業に変化をもたせるために,短時間で違う農作業に移らせてください」
5 「利用者同士が農作業中に話をしていたら,話さないように注意してください」
正解とは明確に異なっていますね。
このように問題に着目すれば,正解する確実性が高まります。