2021年7月7日水曜日

民生委員の定年

 まずは毎日新聞(201778)の記事から

 

民生委員

高齢化深刻 「75歳未満」基準緩和相次ぐ

 

 地域福祉を支える民生委員・児童委員について、都道府県と政令市67自治体のうち2割にあたる15自治体が昨年末の改選時、年齢を国基準の「75歳未満」より引き上げて選任していたことが全国民生委員児童委員連合会の調査でわかった。見守りが必要な高齢の単身世帯は年々増加しているが、なり手が不足し、支える側も高齢者に頼らざるを得ない現状が浮き彫りになった。民生委員制度は今年、創設100年を迎え、9日には東京で記念大会が開かれる。

 

 国は通知で民生委員の年齢要件を「75歳未満の者を選任するよう努めること」と規定。一方で各自治体の弾力的運用も認めている。同連合会は、昨年12月の3年に1度の全国一斉改選に合わせ、全国の実態を調べた。

毎日新聞の記事

https://mainichi.jp/articles/20170708/k00/00e/040/277000c

 

 

この記事でわかることは,国の通知で民生委員の定年を75歳に定めていることです。

 

知っている人は知っているかもしれませんが,知らない人は知らないのではないかと思います。

 

現在,上記の記事の全文は有料でしか見ることができないのが残念です。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題96 民生委員法で規定されている民生委員に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 民生委員は,その職務に関して,市町村長の指揮監督を受ける。

2 民生委員には,給与が支給される。

3 民生委員には,定年がある。

4 民生委員の指導訓練は,都道府県知事が実施する。

5 民生委員は,都道府県知事が定める区域ごとに,地域ケア会議を組織する。

 

前説を読んで,答えは「3 民生委員には,定年がある。」だと思った人は,ちょっと待ってください。

 

かなりおっちょこちょいです。

 

定年を定めているのは,国の通知です。民生委員法ではありません。

 

民生委員の定年のことを知っている人は,引っ掛けられたかもしれません。

 

正解は,選択肢4です。

 

4 民生委員の指導訓練は,都道府県知事が実施する。

 

第十七条 民生委員は、その職務に関して、都道府県知事の指揮監督を受ける。

2 市町村長は、民生委員に対し、援助を必要とする者に関する必要な資料の作成を依頼し、その他民生委員の職務に関して必要な指導をすることができる。

第十八条 都道府県知事は、民生委員の指導訓練を実施しなければならない

 

民生委員は,都道府県知事の指揮監督を受け,都道府県知事は,民生委員の指導訓練を実施します。

 

それでは,ほかの選択肢を解説します。

 

1 民生委員は,その職務に関して,市町村長の指揮監督を受ける。

 

市町村長と民生委員の関係は,「市町村長は、民生委員に対し、援助を必要とする者に関する必要な資料の作成を依頼し、その他民生委員の職務に関して必要な指導をすることができる」と規定されています。

 

2 民生委員には,給与が支給される。

 

第十条 民生委員には、給与を支給しないものとし、その任期は、三年とする。ただし、補欠の民生委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

3 民生委員には,定年がある。

 

法では規定されていません。

 

 

5 民生委員は,都道府県知事が定める区域ごとに,地域ケア会議を組織する。

 

民生委員が組織するのは,民生委員協議会です。

 

<今日の一言>

 

毎日新聞の記事は,ある推測をさせてくれます。

この記事が出たのは7月8日のことです。

 

試験委員は,この記事を見て,問題をつくるときのヒントにしたのではないかという推測です。

試験委員も問題をつくるのに苦労しているのがわかるようです。

 

それはさておき,この時期のニュースは気をつけておかなければならないようです。

 

なぜこのような推測が成り立つのかと言えば,民生委員の定年について,過去には一度も出題されたことがないからです。

ということで,毎年の今頃は,試験委員が苦労して問題をつくっている時期ではないかと思います。

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