2021年7月12日月曜日

ソーシャルワークの実践理論~しっかり学ぼう

ソーシャルワークは欧米生まれです。


外国人の名前が登場しますが,避けては通れません。


この学習部屋へのアクセスが,様々なアプローチを含めて多いのは,覚えにくいためなのか,レポートを書くために検索してたどり着いた結果なのかよくわかりませんが,多くの人の関心が高いことは間違いありません。


この学習部屋では,これまで関連した情報をどれだけ取り上げてきたのかわからないくらいに数多いものです。


ということで,今回は前説なしで問題です。


第30回・問題100 ソーシャルワーク実践理論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 グループワークを体系化したのは,リッチモンド(Richmond,M)である。

2 治療モデルを確立したのは,タフト(Taft,J)とロビンソン(Robinson,V)である。

3 生活モデルを提唱したのは,ピンカス(Pincus,A)とミナハン(Minahan,A)である。

4 ジェネラリスト・ソーシャルワークは,ソーシャルワーク理論の統合化により発展した。

5 ナラティブ・アプローチは,専門性に基づく支援者の知識に着目した。


この問題は,過去に「人名問題に見えて,人名問題ではない問題」というテーマで取り上げました。

https://fukufuku21.blogspot.com/2019/05/blog-post_23.html


正解は選択肢4ですが,詳しい解説は,ここを参照してほしいと思います。


それよりも注目してほしいのは,この問題には元ネタがあることです。


元ネタはこれです。


第26回・問題99 相談援助のアプローチに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 

1 バンデューラ(Bandura,A.)は,行動変容アプローチに取り入れられた社会的学習理論を提唱した。

2 ピンカス(Pincus,A.)とミナハン(Minahan,A.)は,一般システム理論に基づいてユニタリー・アプローチを提唱した。

3 ロビンソン(Robinson,V.)は,地域精神医学研究などの成果を取り入れた危機介入アプローチを提唱した。

4 バーク(Berg,I.)は,社会構成主義を基盤としたナラティブ・アプローチの発展に寄与した。

5 スモーリー(Smalley,R.)は,生態学に基づく機能的アプローチを体系化した。


正解は,選択肢1です。心理学理論で学ぶものを応用的に出題されています。


どちらの問題も難しいですが,共通するのは,ピンカスとミナハンです。


第30回の出題によって,ようやく常連組に加わりした。


そしてようやく第31回では,10年ぶりに一問丸ごと出題されています。


第21回・問題119 ピンカス(Pincus,A.)とミナハン(Minahan,A.)によるソーシャルワーク実践にかかわる理論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地縁関係で結ばれたクライエント個々の日常生活上の単位を,クライエント・システムという。

2 ソーシャルワーカーが所属する公私の機関もしくは組織体を,アクション・システムという。

3 ソーシャルワーカーが働き掛け,変化を引き起こす対象を,ターゲット・システムという。

4 ソーシャルワーカーとともに変革努力の目標を達成するために対応していく人材,資源,援助活動などを,チェンジ・エージェント・システムという。

5 特定の課題解決に向けて活用されるソーシャルワーカーのワーカビリティを,リソース・システムという。


正解は,ターゲットシステムの選択肢3です。


第31回・問題100 ピンカス(Pincus,A.)らによる「4つの基本的なシステム」の中の,ターゲット・システムとチェンジ・エージェント・システムに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ターゲット・システムは,役割を遂行するソーシャルワーカーを指す。

2 ターゲット・システムは,ソーシャルワーカーが所属している機関を指す。

3 ターゲット・システムは,変革努力の目標達成のためにソーシャルワーカーが影響を及ぼす必要のある人々を指す。

4 チェンジ・エージェント・システムは,契約の下,ソーシャルワーカーの努力によって利益を受ける人々を指す。

5 チェンジ・エージェント・システムは,目標達成のために,ソーシャルワーカーと協力していく人々を指す。


この問題では,ターゲット・システムのワンテーマで出題されています。

正解は,選択肢3です。


過去問のみで,国試に臨もうと思ったら,まったく出て来ません。

参考書等でしっかり学ぶ必要性がわかることでしょう。

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