伝統的なソーシャルワークは,
ケースワーク
グループワーク
コミュニティワーク
として発展してきたことを学んだ人もいることでしょう。
この統合を図ったのは「ジェネリック」という考え方でした。
第37回から実施される新しいカリキュラムでは,「ソーシャルワークの理論と方法」という科目が誕生しますが,この科目の中で目を引くのがコミュニティワークです。
⑦コミュニティワーク |
1 コミュニティワークの意義と目的 |
・ソーシャルインクルージョン ・住民参加 |
2 コミュニティワークの展開 |
・地域アセスメント ・地域課題の発見・認識 ・実施計画とモニタリング ・組織化 ・社会資源の開発 ・評価と実施計画の更新 |
まるで地域福祉の科目のようです。
地域共生社会の実現に向けて,社会福祉士の果たす役割は「コミュニティワークだ」ということをまるで示しているようです。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題107 事例を読んで,L社会福祉士が,個別支援を地域支援に展開していくための対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
社会福祉協議会に勤務するL社会福祉士は,民生委員からMさん(72歳,男性)のことが気になると相談を受けた。Mさんは1年ほど前に妻を亡くし,それ以降,自宅に閉じ籠もっているという。その後,民生委員とMさん宅を訪問するうちに,「慣れない家事に苦労し,悩みを打ち明けられる人もいない」という思いを聞くことができた。民生委員によると,この地域には一人暮らしの男性高齢者が他にもいるということだった。
2 Mさんに対し,介護保険制度における訪問介護の利用を勧める。
3 Mさんに対し,友人を作るように助言する。
4 住民に呼び掛け,Mさんと同じような状況にある高齢者が參加しやすい居場所づくりを進める。
5 一人暮らしは困難と判断し,施設入所に向けて手続を進める。
この問題は,ケースワークをきっかけとしてコミュニティワークに拡大することを目指したものです。
単なる事例問題としても解くことができますが,問題の求めるものを押さえて考えるとミスしません。
1 民生委員にMさん宅での食事づくりを依頼する。
2 Mさんに対し,介護保険制度における訪問介護の利用を勧める。
3 Mさんに対し,友人を作るように助言する。
5 一人暮らしは困難と判断し,施設入所に向けて手続を進める。
これらはすべて,Mさんに対するケースワークです。
コミュニティワークになっているのは,
4 住民に呼び掛け,Mさんと同じような状況にある高齢者が參加しやすい居場所づくりを進める。
この選択肢しかありません。
明確すぎる問題です。