2021年7月20日火曜日

面接技法~特に重要なのは感情の反映

第22回の国家試験以降,面接技法が出題されたのは,以下の通りです。


第22回(事例)

・直視

・要約

・感情の反映

・助言・提案

・自己開示


第23回

・繰り返し

・沈黙

・言い換え

・相づち

・閉じられた質問


第27回

・閉じられた質問

・言い換え

・明確化

・要約

・アイメッセージ


第29回

・閉ざされた質問

・要約

・感情の反映

・沈黙

・非言語的な表現


第30回(事例)

・開かれた質問

・直面化

・自己開示

・対決

・感情の反映


第32回

・言い換え

・共感

・ミラクルクエスチョン

・アイメッセージ

・閉じられた質問


第33回

・明確化

・閉じられた質問

・支持

・開かれた質問

・要約


ここに示したものは,きっちりと覚えたいです。


実際の面接場面で使えるためには,覚えるだけではなく,具体的に考えることが必要です。


これらの中で,わかりにくいものとわかりやすいものがあると思います。


その筆頭は,感情の反映です。


感情の反映は,クライエントの発言の情緒的な面を言葉にして返す技法です。


〈具体例〉 ※国試に出題されたもの


「私は一体これからどうしたらいいでしょうか。小さい子どもを抱えて別れることもできず,ただこの状況に耐え続けるしかないのでしょうか」といって沈黙した。

それに対して,相談員(社会福祉士)は「今は八方ふさがりの状態で,とてもおつらいのですね」と応じた。


「小さい子どもを抱えて別れることもできず」というクライエントの言葉を「八方ふさがりの状態」と言い換えた上で


「ただこの状況に耐え続けるしかないのでしょうか」を「とてもおつらいのですね」と「つらい」と感情を表現しています。


かなり高度な面接技法です。


だからこそ,国試では重要視されます。


それでは,今日の問題です。


第30回・問題108 事例を読んで,Q市社会福祉協議会のA社会福祉士の用いた面接技法を示すものとして,正しいものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Q市社会福祉協議会に,一人暮らしのBさん(42歳,男性)が生活が苦しいと相談に訪れた。Bさんは20代後半まで正規就労していたが,体調不良により離職した。それ以来,不安定な就労が続いている。「親には迷惑を掛けたくないし,行政のお世話になるのも気が引ける…」と黙り込むBさんに,A社会福祉士は,「どうにもならなくて,おつらいのですね」と伝えた。

1 開かれた質問

2 直面化

3 自己開示

4 対決

5 感情の反映


答えは,今ならすぐわかるのではないでしょうか。


「おつらいのですね」と感情の反映をしています。


ということで,正解は選択肢5です。


直面化は特に重要なので。しっかり理解しておきたいです。

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