2021年7月23日金曜日

フォーマルな社会資源とインフォーマルな社会資源

社会資源は,フォーマルなものとインフォーマルなものに分類することができます。

 

フォーマルな社会資源

制度化されたもの。

例:介護保険サービス,障害福祉サービスなど。

インフォーマルな社会資源

制度化されていないもの。

例:家族,友人,地域住民,ボランティア,法人が提供する独自のサービスなど。

 

それでは,今日の問題です。

 

30回・問題111 ソーシャルワークで活用されるインフォーマルな社会資源の特微に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 制度化されたサービスである。

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

奇をてらったものではありませんが,より具体的な知識の展開を求められる問題です。

 

うまいなぁ,と思います。

 

それでは,解説です。

 

1 制度化されたサービスである。

 

制度化サービスは,フォーマルな社会資源です。

 

2 利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られる。

 

利用者は,一定の手続と受給要件を満たす者に限られるのは,フォーマルな社会資源です。

 

3 利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供される。

 

これが正解です。

 

利用者との私的な人間関係を通して,援助が提供されるのは,インフォーマルな社会資源です。

 

4 フォーマルな社会資源と比べ,提供されるサービスの継続性や安定性は高い。

 

インフォーマルな社会資源は,制度化されていないものです。人の自発性に任されるので,継続性や安定性はフォーマルな社会資源に比べると低くなります。

 

友人が亡くなったら,その資源はなくなってしまいます。

 

フォーマルな社会資源は,たとえその法人がなくなっても,代替する法人があります。

 

5 フォーマルな社会資源と比べ,利用者の個別的な状況に対する融通性は乏しい。

 

フォーマルな社会資源は,法的根拠などによって提供されるので,制度の範囲内での提供となります。

 

法令に反することを行うと指定が外される恐れさえあります。インフォーマルな社会資源は,そういった規制はありません。

 

<今日の一言>

 

今日の問題で,選択肢4,あるいは5を正解だと思った人は,頭を柔らかくする必要があります。

 

こんな問題でも受験者に差が生じます。点数が伸びないのは,決して難しい問題が解けないことではないのです。

 

国試に応用力は必要ないと思いますが,もし必要だとすれば,こういった問題を正解できる柔らかな頭でしょう。それが社会福祉士に求められるからです。

 

合格には決して深い知識は必要としません。必要なのは確実な知識です。

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