ノーマライゼーションの思想は,デンマークで生まれました。
その中心となったのは,バンク-ミケルセンです。
それを発展させたのは,スウェーデンのニィリエです。
ニィリエは,ノーマライゼーションとは具体的にどのようなものなのかを表わした「ノーマライゼーションの8つの原理」を提唱しています。
①1日のノーマルなリズム ②1週間のノーマルなリズム ③1年間のノーマルなリズム ④ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験 ⑤ノーマルな個人の尊厳と自己決定 ⑥その文化におけるノーマルな性的関係 ⑦その社会におけるノーマルな経済水準とそれを得る権利 ⑧その地域におけるノーマルな環境形態と水準 |
ノーマライゼーションを学ぶとき,もう一人登場します。
北欧で生まれたノーマライゼーション思想を北米で広めたヴォルフェンスベルガーです。
アメリカのヴォルフェンスベルガーは,障害者の役割に着目して「ソーシャル・ロール・バロリゼーション」を提唱しました。
ノーマライゼーションは,生活をノーマル化するものですが,ソーシャル・ロール・バロリゼーションは一歩進めて,文化的・社会的役割のノーマル化を提唱したのです。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題95 次のうち,ノーマライゼーションの原理を八つに分けて整理した人物として,適切なものを1つ選びなさい。
1 ソロモン(Solomon,B)
2 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N)
3 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger,W.)
4 サリービー(Saleebey,D)
5 ニィリエ(Nirje,B)
単語カードを使って,表にノーマライゼーション,裏にバンク-ミケルセンと書いて覚えるような覚え方では対応できません。
8つの原理の一つひとつを暗唱できるまでに覚える必要はありませんが,大体どんなもののかがわかる程度には覚えておきたいものです。
正解は,すぐわかるでしょう。
5 ニィリエ(Nirje,B)
バンク-ミケルセンは知っていても,ニィリエ,ヴォルフェンスベルガーは知らないというのでは,解けない問題です。しかし,ちょっと覚えておけば解けます。
社会福祉士の国試問題は選択肢が5つあるので,ノーマライゼーションに関係ない人も含んで作成しなければ問題は作れません。
そこでピックアップされたのが,ソロモンとサリービーです。
ソロモンはエンパワメント,サリービーはストレングスモデルでそれぞれ知られます。