児童福祉法は,近年の児童虐待の増加などの問題に対応するために改正を重ねています。
新しい認定資格が作られます。
さらに,国家資格化が検討されていきます。
出典:厚生労働省ホームページ「1.児童福祉法等の一部を改正する法律案について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000916556.pdf
今日は,家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)です。
家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)の業務
1)対象児童の早期家庭復帰のための保護者等に対する相談援助業務 ①保護者等への施設内又は保護者宅訪問による相談援助 ②保護者等への家庭復帰後における相談援助 2)退所後の児童に対する継続的な相談援助 3)里親委託の推進のための業務 ①里親希望家庭への相談援助 ②里親への委託後における相談援助 ③里親の新規開拓 4)養子縁組の推進のための業務 ①養子縁組を希望する家庭への相談援助等 ②養子縁組の成立後における相談援助等 5)地域の子育て家庭に対する育児不安の解消のための相談援助 6)要保護児童の状況の把握や情報交換を行うための協議会への参画 7)施設職員への指導・助言及びケース会議への出席 8)児童相談所等関係機関との連絡・調整 9)その他業務の遂行に必要な業務 |
里親に関するものは,里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)の役割ではないの? と思う人は順調です。
どちらも里親に関する業務を行いますが,家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)のほうが広い業務を担います。
今後は,児童福祉にかかわるこういった専門職が新しくできる認定資格を取得して活躍することになるのでしょう。
そして,国家資格化が実現すればさらなるキャリアアップの道が開けます。
それでは,今日の問題です。
第31回・問題109 事例を読んで,児童養護施設のE家庭支援専門相談員(社会福祉士)の退所に向けた援助に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
児童養護施設に入所しているFちゃん(11歳,女児)は,母親の引取り希望をはじめのうちは喜んでいた。しかし,週末の一時帰宅を繰り返すうち,母親と二人で暮らすことの不安をE家庭支援専門相談員に訴えるようになった。
1 E家庭支援専門相談員が方針を考えて決定するので,Fちゃんは心配しなくてよいと伝える。
2 Fちゃんが不安を訴えていることを児童相談所に報告し,今後の援助について連携を図る。
3 母親の意向を大切にするよう,Fちゃんを励ます。
4 家に帰る計画についてどうするかを一緒によく考えていこうとFちゃんに伝える。
5 今の不安は退所する時には誰でも感じることだから考えなくてよいと伝える。
将来,児童・家庭領域で働くことを考えているなら,この問題は間違ってはなりません。
もし,児童・家庭領域で働いている現任者がこの問題を間違ったとしたらかなりまずいです。
だめな対応は,以下の3つです。
1 E家庭支援専門相談員が方針を考えて決定するので,Fちゃんは心配しなくてよいと伝える。
3 母親の意向を大切にするよう,Fちゃんを励ます。
5 今の不安は退所する時には誰でも感じることだから考えなくてよいと伝える。
誰が見てもこれはだめな対応でしょう。
ということで,正解は残る2つです。
2 Fちゃんが不安を訴えていることを児童相談所に報告し,今後の援助について連携を図る。
4 家に帰る計画についてどうするかを一緒によく考えていこうとFちゃんに伝える。