システム理論と聞くととても難しく感じることでしょう。
簡単に言えば・・・
人と環境を一体のものととらえる
人と環境を別のもとととらえるといったものはすべて間違いです。
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それでは,今日の問題です。
第31回・問題98 ケンプ(Kemp,S.)らによる「人―環境のソーシャルワーク実践」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 環境を「知覚された環境」,「自然的・人工的・物理的環境」など5種に分類した。
2 ソーシャルネットワークの活用に対し,一定の制限を加えた。
3 クライエントが抱える欠損の修正による問題解決に主眼を置いた。
4 クライエントの環境よりもクライエント自身のアセスメントを強調した。
5 支援者とクライエントは,それぞれ異なる基盤に存在するものと捉えた。
ケンプは知らなくても「人―環境」というところから,システム理論に関連しているものであることは推測できます。
今の参考書には,ケンプも掲載されていると思いますが,この問題が出題されたときは,おそらく掲載しているものはなかったはずです。
なぜなら,それまでに一度も出題されたことがなかったからです。
しかし,勉強したことがないものでも正解することができることを知っておいてほしいと思います。
それでは解説です。
1 環境を「知覚された環境」,「自然的・人工的・物理的環境」など5種に分類した。
これが正解です。
しかし,この時点では正解がどうかはわかりません。こういったときは,焦ることなく,冷静に△をつけます。
合格できない人に共通するのは,このような問題を見ると焦ってしまい,冷静な判断ができなくなることです。
2 ソーシャルネットワークの活用に対し,一定の制限を加えた。
これもよくわからないですが,制限を加えることはないだろうということは推測できませんか?
ソーシャルネットワークも環境だからです。
3 クライエントが抱える欠損の修正による問題解決に主眼を置いた。
クライエントが抱える欠損の修正は,クライエントにしか目を向けていないので,システム理論にはなりません。
4 クライエントの環境よりもクライエント自身のアセスメントを強調した。
システム理論なら,環境もクライエント自身にも目を向けなければなりません。
5 支援者とクライエントは,それぞれ異なる基盤に存在するものと捉えた。
これが最も判断しにくいものだと思います。
支援者とクライエントが異なる基盤に存在するなら,接点がなくなってしまうように思いませんか。
それよりも重要なことは,クライエントにとって支援者も環境であることです。
支援者の態度もクライエントに影響を与える存在であることを忘れてはなりません。
ワーカーの中には,クライエントに対して「なぜ話してくれなかったのですか」という人がいます。
ワーカーに話しにくい要素があったのかもしれないことを忘れないようにしたいものです。