今回は,前説なしで今日の問題です。
第31回・問題97 事例を読んで,H生活指導員(社会福祉士)によるこの時点での対応として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
H生活指導員の担当している軽度の知的障害のあるJさん(32歳,女性)は,U救護施設に入所している。Jさんは家族との関係が良好ではなく,求職活動がうまくいかないなど嫌なことが重なり,何もする気にならないと意欲を失っている。
1 Jさんの担当を熟練した他の生活指導員に交代するよう,施設長に依頼する。
2 Jさんの今までの努力を認め,思いを聴き,今後の対応について一緒に考える。
3 Jさんのニーズを包括的に検討するため,ケースカンファレンスの開催を求める。
4 職員会議の場で,Jさんの支援に関わる職員の選定を自分に任せてほしいと提案する。
5 Jさんの身元引受人である家族に連絡を取り,今後の方針を委ねる。
この問題の設問は,「この時点での対応」です。
のちのち適切になることがあっても,この時点で適切でなければ,正解になりません。
正解は,選択肢2と3です。
2 Jさんの今までの努力を認め,思いを聴き,今後の対応について一緒に考える。
3 Jさんのニーズを包括的に検討するため,ケースカンファレンスの開催を求める。
これら以外の
1 Jさんの担当を熟練した他の生活指導員に交代するよう,施設長に依頼する。
4 職員会議の場で,Jさんの支援に関わる職員の選定を自分に任せてほしいと提案する。
5 Jさんの身元引受人である家族に連絡を取り,今後の方針を委ねる。
の3つは,「この時点」でなくても不適切です。
こういった問題を見ると,国家試験問題を作ることは本当に難しいものだと感じます。
理想の問題は,簡単に消去できてしまう選択肢がないことです。
不適切問題になるのが怖いために無難になるのかもしれません。