ブラッドショー(ブラッドショウ)は,福祉ニーズを以下のように類型化しています。
感得されたニード (フェルト・ニード) |
ニードがあることを本人が自覚したニード |
表明されたニード (エクスプレスト・ニード) |
ニードがあることを自覚した結果,行動に出たニード |
比較ニード (ノーマティブ・ニード) |
サービス受給していないが,サービス受給している人と比べてみることでニードがあるとされるニード |
規範的ニード (コンパラティブ・ニード) |
社会的に望ましい状態(社会規範)に照らしてみてニードがあるとみなされるニード |
かなりの頻度で出題されていますが,結構難しいと思います。
考え方については,以下の記事を参考にすると良いと思います。
https://fukufuku21.blogspot.com/2020/06/blog-post_22.html
それでは今日の問題です。
第31回・問題105 ブラッドショウ(Bradshaw,J.)のニード類型論に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 規範的ニードは,同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較により明らかにされる。
2 規範的ニードは,「望ましい」基準との対比において,専門家や行政官などが存在を認めたニードを指す。
3 規範的ニードは,クライエントとの契約によってその内容が定まる。
4 比較ニードは,クライエントによって体感的に自覚される。
5 比較ニードは,その存在が社会的に認知されているニードを指す。
ブラッドショー(ブラッドショウ)のニーズの類型のうち「比較ニード」と「規範的ニード」は,他者がニーズを把握する場合に用いられるものです。
ニーズ判定して,給付決定する場合などに必要です。
それでは解説です。
1 規範的ニードは,同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較により明らかにされる。
規範的ニードは,「望ましい」基準との対比において,専門家や行政官などが存在を認めたニードです。
同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較により明らかにされるのは,比較ニードです。
ということで,正解は,選択肢2です。
2 規範的ニードは,「望ましい」基準との対比において,専門家や行政官などが存在を認めたニードを指す。
給付決定する際に必要なのだ,ということが分かっていないと,専門家はともかく行政官という言葉があるので,正解にしにくいと思います。
しかし,大正解です。
3 規範的ニードは,クライエントとの契約によってその内容が定まる。
規範的ニードは,クライエントがどう思っていてもニードの内容は,専門家などが判断するものです。これは,比較ニードも同じです。
4 比較ニードは,クライエントによって体感的に自覚される。
「クライエントによって体感的に自覚される」は,感得されたニードを述べています。
5 比較ニードは,その存在が社会的に認知されているニードを指す。
「その存在が社会的に認知されているニードを指す」は,ブラッドショーの類型にはありません。
おそらく「顕在的ニード」を述べたものではないかと思います。
ブラッドショーは出題頻度が極めて高いですが,覚えにくいので確実に押さえておくことが大切です。