2023年3月22日水曜日

社会保険の被保険者

社会保険制度は,日本の社会保障制度の中心です。


つまり,社会保障に強くなるためには,社会保険制度を押さえることが重要です。


社会保険制度を押さえるポイントはいくつかありますが,その中でも被保険者は極めて重要です。


今日の問題は,基本中の基本です。


第35回・問題51 事例を読んで,社会保険制度の加入に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

〔事例〕

 Gさん(76歳)は,年金を受給しながら被用者として働いている。同居しているのは,妻Hさん(64歳),離婚して実家に戻っている娘Jさん(39歳),大学生の孫Kさん(19歳)である。なお,Gさん以外の3人は,就労経験がなく,Gさんの収入で生活している。 

1 Gさんは健康保険に加入している。

2 Hさんは国民健康保険に加入している。 

3 Jさんは健康保険に加入している。

4 Jさんは介護保険に加入している。

5 Kさんは国民年金に加入している。


この問題はとても素敵です。


試験委員のセンスを感じませんか。

座布団を一枚あげたくなるような問題です。


知識があれば解けるし,知識がなければ解けない,という理想の問題です。


それでは解説です。


1 Gさんは健康保険に加入している。


Gさんは,76歳です。


75歳になった時点で,健康保険を抜けて,後期高齢者医療制度の被保険者となっているはずです。


2 Hさんは国民健康保険に加入している。


これが正解です。


Gさんが75歳未満だったときは健康保険の被保険者だったと考えられ,Hさんはその扶養者となっていたでしょう。


Gさんが75歳になった時点で,後期高齢者医療制度の被保険者となりました。


国民健康保険と後期高齢者医療制度には,健康保険と異なり,被扶養者という制度はありません。


そのため,Hさんは国民健康保険に加入することになります。


3 Jさんは健康保険に加入している。


Jさんは就労経験がないという情報があるため,加入しているのは,国民健康保険だと考えられます。


4 Jさんは介護保険に加入している。


40歳であれば,介護保険の第二号被保険者となるかもしれませんが,Jさんはこの時点ではまだ39歳です。


5 Kさんは国民年金に加入している。


国民年金は,20歳以上60歳未満の者が加入します。Jさんはこの時点ではまだ19歳です。


〈今日の一言〉


今日の問題は決して高度な知識を問う問題ではありません。しかし,確実に正解するのはとても難しいものです。


こういった問題が,国試の合否を分けると言っても決して過言ではないでしょう。


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