現役世代の医療保険制度には,大きく分けて以下の2つがあります。
①被用者を対象とする健康保険制度
②自営業者等を対象とする国民健康保険制度
それぞれには,独自に組合を作って保険業務を行う組合があります。
大企業が組合をつくる健康保険組合(健保組合)
同業者が組合をつくる国民健康保険組合(国保組合)
それでは今日の問題です。
第33回・問題51 医療保険制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民健康保険には,被用者の一部も加入している。
2 医師など同種の事業又は業務に従事する者は,独自に健康保険組合を組織することができる。
3 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は,全国一律である。
4 健康保険の被扶養者が,パートタイムで働いて少しでも収入を得るようになると,国民健康保険に加入しなければならない。
5 日本で正社員として雇用されている外国人が扶養している外国在住の親は,健康保険の被扶養者となる。
とてもうまい出題です。
決して難しいものを出題しているわけではありませんが,正解するには正確な知識が必要です。国家試験の理想です。
それでは,解説です。
1 国民健康保険には,被用者の一部も加入している。
これが正解です。
短時間雇用などの理由で健康保険の適用にならない被用者は,国民健康保険に加入します。
2 医師など同種の事業又は業務に従事する者は,独自に健康保険組合を組織することができる。
医師など同種の事業又は業務に従事する者が組織するのは,国民健康保険組合です。
3 協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の保険料率は,全国一律である。
協会けんぽの保険料率は,都道府県の医療費などの違いによって,都道府県ごとに若干異なります。
医療費が高い都道府県の保険料は高く設定され,医療費が低い都道府県の保険料は低く設定されます。
疾病予防などに力を入れて,その都道府県内の医療費が下がれば,保険料率も下がります。
4 健康保険の被扶養者が,パートタイムで働いて少しでも収入を得るようになると,国民健康保険に加入しなければならない。
収入があっても扶養の範囲なら,健康保険の被扶養者どなります。
5 日本で正社員として雇用されている外国人が扶養している外国在住の親は,健康保険の被扶養者となる。
健康保険の被扶養者となるには,日本国内に住所を有することが必要です。