今回も社会保険と生活保護の特徴です。
社会保険と生活保護の特徴~その1
https://fukufuku21.blogspot.com/2023/02/blog-post_28.html
社会保険と生活保護の特徴~その2
https://fukufuku21.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
それでは,さっそく今日の問題です。
第28回・問題50 日本の社会保険制度と公的扶助制度の基本的な特質に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 公的扶助は防貧的な機能をもつ。
2 公的扶助は個別の必要に応じて給付を行う。
3 社会保険の給付は,実施機関の職権により開始される。
4 社会保険では原因のいかんを問わず,困窮の事実に基づいて給付が行われる。
5 公的扶助は,保険料の拠出を給付の前提条件としている。
今回の問題もちょっと面白いです。
それでは,解説です。
1 公的扶助は防貧的な機能をもつ。
公的扶助は,救貧的な機能を持ちます。
防貧的な機能を持つのは,社会保険です。
2 公的扶助は個別の必要に応じて給付を行う。
これが正解です。
(基準及び程度の原則) 保護は,厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち,その者が金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。 保護基準は,要保護者の年齢別,性別,世帯構成別,所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これをこえないものでなければならない。 |
問題文にある「必要」は,法の「需要」にあたります。
不足分を補う程度に保護が行われます。
3 社会保険の給付は,実施機関の職権により開始される。
社会保険の給付は,保険事故の発生によって開始されます。
実施機関の職権により開始されるのは,公的扶助です。
4 社会保険では原因のいかんを問わず,困窮の事実に基づいて給付が行われる。
社会保険の給付は,保険事故の発生によって開始されます。
原因のいかんを問わず,困窮の事実に基づいて給付が行われるのは,公的扶助です。
これは,無差別平等の原理を述べたものです。
(無差別平等の原理) すべて国民は,この法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を,無差別平等に受けることができる。 |
5 公的扶助は,保険料の拠出を給付の前提条件としている。
公的扶助は,困窮の事実に基づいて給付が行われます。
保険料の拠出を給付の前提条件としているのは,社会保険です。