2023年3月3日金曜日

社会保険と生活保護の特徴~その4

今回も社会保険と生活保護の特徴です。


社会保険と生活保護の特徴~その1

https://fukufuku21.blogspot.com/2023/02/blog-post_28.html

社会保険と生活保護の特徴~その2

https://fukufuku21.blogspot.com/2023/03/blog-post.html

社会保険と生活保護の特徴~その3

https://fukufuku21.blogspot.com/2023/03/blog-post_2.html


それでは,今日の問題です。


第11回・問題22 公的扶助と社会保険に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 社会保険では実施機関に一定の範囲で裁量が認められているが,公的扶助では実施機関に裁量の余地はほとんどない。

2 社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられるが,公的扶助では本人の自己負担がない。

3 社会保険では資力調査を前提とする制度なので救貧的であるが,公的扶助は直接貧困原因に対応する制度なので防貧的である。

4 社会保険の給付の開始は申請に基づくが,公的扶助は事故の発生に伴い自動的に給付が開始される。

5 社会保険の給付はすべて無期限で受けられるが,公的扶助の受給期間はあらかじめ限定されている。


もう四半世紀も前の問題ですが,今の出題とほとんど変わっていないのに驚きです。


第36回の問題です,と言われても何の違和感もないでしょう。


もうかなり慣れてきたと思いますが,それでは解説です。


1 社会保険では実施機関に一定の範囲で裁量が認められているが,公的扶助では実施機関に裁量の余地はほとんどない。


社会保険は,実施機関に裁量の余地はほとんどありません。

ほとんどどころか,全くないと言ってもよいクラスです。


公的扶助は,実施機関に一定の範囲で裁量が認められています。


2 社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられるが,公的扶助では本人の自己負担がない。


これが正解です。


社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられます。


公的扶助は,本人の自己負担がありません。


3 社会保険では資力調査を前提とする制度なので救貧的であるが,公的扶助は直接貧困原因に対応する制度なので防貧的である。


社会保険は,防貧的な機能をもちます。


公的扶助は,救貧的な機能をもちます。


4 社会保険の給付の開始は申請に基づくが,公的扶助は事故の発生に伴い自動的に給付が開始される。


社会保険は,保険事故が発生した際,申請することで,給付が開始されます。


第35回国家試験では,「労働者の業務災害に関する保険給付については,事業主の請求に基づいて行われる」という問題が出題されてしました。


申請するのは,労働者自らあるいはその家族です。


公的扶助も社会保険と同様に申請して,認められれば給付されます。


5 社会保険の給付はすべて無期限で受けられるが,公的扶助の受給期間はあらかじめ限定されている。


社会保険の給付は,老齢年金は死亡するまでは無期限ですが,多くの制度には期限があります。


公的扶助は,収入が増加するなどにより,困窮から脱することができれば,保護が廃止されます。


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