今回も社会保険と生活保護の特徴です。
社会保険と生活保護の特徴~その1
https://fukufuku21.blogspot.com/2023/02/blog-post_28.html
社会保険と生活保護の特徴~その2
https://fukufuku21.blogspot.com/2023/03/blog-post.html
社会保険と生活保護の特徴~その3
https://fukufuku21.blogspot.com/2023/03/blog-post_2.html
それでは,今日の問題です。
第11回・問題22 公的扶助と社会保険に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 社会保険では実施機関に一定の範囲で裁量が認められているが,公的扶助では実施機関に裁量の余地はほとんどない。
2 社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられるが,公的扶助では本人の自己負担がない。
3 社会保険では資力調査を前提とする制度なので救貧的であるが,公的扶助は直接貧困原因に対応する制度なので防貧的である。
4 社会保険の給付の開始は申請に基づくが,公的扶助は事故の発生に伴い自動的に給付が開始される。
5 社会保険の給付はすべて無期限で受けられるが,公的扶助の受給期間はあらかじめ限定されている。
もう四半世紀も前の問題ですが,今の出題とほとんど変わっていないのに驚きです。
第36回の問題です,と言われても何の違和感もないでしょう。
もうかなり慣れてきたと思いますが,それでは解説です。
1 社会保険では実施機関に一定の範囲で裁量が認められているが,公的扶助では実施機関に裁量の余地はほとんどない。
社会保険は,実施機関に裁量の余地はほとんどありません。
ほとんどどころか,全くないと言ってもよいクラスです。
公的扶助は,実施機関に一定の範囲で裁量が認められています。
2 社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられるが,公的扶助では本人の自己負担がない。
これが正解です。
社会保険では本人の自己負担(拠出)が課せられます。
公的扶助は,本人の自己負担がありません。
3 社会保険では資力調査を前提とする制度なので救貧的であるが,公的扶助は直接貧困原因に対応する制度なので防貧的である。
社会保険は,防貧的な機能をもちます。
公的扶助は,救貧的な機能をもちます。
4 社会保険の給付の開始は申請に基づくが,公的扶助は事故の発生に伴い自動的に給付が開始される。
社会保険は,保険事故が発生した際,申請することで,給付が開始されます。
第35回国家試験では,「労働者の業務災害に関する保険給付については,事業主の請求に基づいて行われる」という問題が出題されてしました。
申請するのは,労働者自らあるいはその家族です。
公的扶助も社会保険と同様に申請して,認められれば給付されます。
5 社会保険の給付はすべて無期限で受けられるが,公的扶助の受給期間はあらかじめ限定されている。
社会保険の給付は,老齢年金は死亡するまでは無期限ですが,多くの制度には期限があります。
公的扶助は,収入が増加するなどにより,困窮から脱することができれば,保護が廃止されます。