社会保険の保険者は,社会保険制度を押さえるときの基本中の基本です。
誰が取り扱うの?(保険者)
年金保険&労災保険&雇用保険
政府
医療保険
健康保険 ➡ 各保険者(全国健康保険協会&健康保険組合)
国民健康保険 ➡ 市町村&都道府県(都道府県は平成30年4月~)
国民健康保険組合
後期高齢者医療制度 ➡ 都道府県区域の全市町村が加入する広域連合
介護保険
市町村(広域連合)
※都道府県が保険者なのは,都道府県等が行う国民健康保険のみ!!
医療保険制度は,もともとあった制度を利用して国民皆保険をつくったので複雑です。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題51 社会保険の保険者に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 国民年金の保険者は,日本年金機構である。
2 介護保険の保険者は,国である。
3 国民健康保険組合の保険者は,市町村である。
4 健康保険の保険者は,全国健康保険協会及び健康保険組合である。
5 労働者災害補償保険の保険者は,都道府県である。
社会保険の保険者は,社会保険制度を押さえるときの基本中の基本ですが,改めて問われると「何だったっけ?」と思いませんか?
それでは解説です。
1 国民年金の保険者は,日本年金機構である。
これが正解だと思う人もいるでしょう。
日本年金機構は政府から委託を受けて業務を行っているだけで,保険者ではありません。
国民年金の保険者は政府です。
2 介護保険の保険者は,国である。
介護保険の保険者は,市町村です。
複数の市町村で組織する広域連合も認められています。
3 国民健康保険組合の保険者は,市町村である。
国民健康保険組合の保険者は,国民健康保険組合です。
市町村は,都道府県等が行う国民健康保険(旧:市町村国保)です。
4 健康保険の保険者は,全国健康保険協会及び健康保険組合である。
これが正解です。
健康保険,国民健康保険ともに,組合があることを忘れがちなので注意が必要です。
5 労働者災害補償保険の保険者は,都道府県である。
労働者災害補償保険の保険者は,政府です。
都道府県が保険者なのは,都道府県等が行う国民健康保険のみ(旧:市町村国保)です。