障害者総合支援法の実施主体は,市町村です。
都道府県は,専門職の確保・質の向上,事業者指定など基盤整備を行います。
それでは,今日の問題です。
第28回・問題60 「障害者総合支援法」における都道府県の役割に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
1 自立支援医療の更生医療を実施する。
2 指定特定相談支援事業者の指定を行う。
3 サービス管理責任者研修事業を行う。
4 介護給付費等の支給決定を行う。
5 障害福祉計画を策定する。
とてもうまい出題です。
奇をてらった内容ではないですが,確実な知識がなければ正解するのはとても難しいです。
それでは解説です。
1 自立支援医療の更生医療を実施する。
自立支援医療の3種類は以下のように分かれます。
育成医療(障害児に対する医療) → 市町村
更生医療(身体障害者に対する医療) → 市町村
精神通院医療 → 都道府県
2 指定特定相談支援事業者の指定を行う。
障害者総合支援法の理解を難しくしている理由には,相談支援事業もあるように思います。
相談支援事業は2種類あります。
一般相談支援事業
→ 地域移行支援と地域定着支援を行う → 指定は都道府県
特定相談支援事業
→ 障害者のケアマネジメントを行う → 指定は市町村
3 サービス管理責任者研修事業を行う。
これが一つめの正解です。
サービス管理責任者に限らず,専門職ら対する研修は,都道府県の役割です。
4 介護給付費等の支給決定を行う。
障害者総合支援法の実施主体は市町村です。
介護給付,訓練等給付等の支給決定を行うのは,市町村の役割です。
都道府県が支給決定するのは,自立支援給付のうち,精神通院医療です。
5 障害福祉計画を策定する。
これが1つめの正解です。
障害福祉計画は,都道府県,市町村ともに策定義務があります。
「障害者計画」だったら誤りです。
障害者計画も都道府県・市町村ともに策定義務がありますが,根拠法は,「障害者基本法」です。
障害福祉計画と障害者計画は引っ掛けでよく用いられるので注意が必要です。