障害者総合支援法には,就労支援系サービスがあるのが特徴です。
就労していない →就労移行支援 → 就労継続支援(A型・B型)
→ 就労定着支援
この図式を頭に入れて覚えるとよいです。
それでは,今日の問題です。
第30回・問題59 「障害者総合支援法」に基づく就労継続支援A型のサービスの利用に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害支援区分の認定が必要である。
2 暫定支給決定の仕組みがある。
3 サービスの利用者負担は不要である。
4 利用者は,通常の事業所に雇用されることが可能な障害者でなければならない。
5 利用期間について法令上の定めがある。
知識不足では正解できる問題ではありません。
国家試験に合格するためには,こういった問題を確実に正解する知識が必要です。
それでは,解説です。
1 障害支援区分の認定が必要である。
障害支援区分認定が必要なのは,介護給付を利用する場合です。
就労支援系サービスは訓練等給付なので,障害支援区分認定は必要ではありません。
2 暫定支給決定の仕組みがある。
これが正解です。
就労支援系サービスは,障害支援区分認定を必要としない代わりに,暫定支給決定があり,実際に利用してみて,それでよければ本支給となる仕組みを取っています。
訓練等給付を利用する場合に障害支援区分認定を必要としない理由は暫定支給決定の仕組みがあるからです。
うまく考えるものです。
3 サービスの利用者負担は不要である。
障害者の就労支援系サービスを規定する法制度には,障害者総合支援法と障害者雇用促進法があります。
サービスの利用者負担が不要なのは,障害者雇用促進法に基づくサービスです。
障害者総合支援法に基づくサービスは,利用者負担が必要です。
4 利用者は,通常の事業所に雇用されることが可能な障害者でなければならない。
通常の事業所に雇用されることが可能な障害者を対象とするのは,就労移行支援です。
就労継続支援は,通常の事業所に雇用されることが難しい障害者を対象とします。
5 利用期間について法令上の定めがある。
利用期間について法令上の定めがあるのは,就労移行支援です。
就労移行支援に利用期間の定めが設けられているのは,その期間に一般就労ができなかった場合は,就労継続支援を利用することになるからです。
就労継続支援は,A型,B型ともに利用期間について法令上の定めがないので,ずっと利用することができます。