2023年9月13日水曜日

ハーディネスとレジリエンス

今回,取り上げる問題は,ストレスをテーマにしたものです。

ストレスが出題される時には,高い確率でコーピングが出題されます。


しかし,今回のテーマは,ストレスではなく「ハーディネスとレジリエンス」です。

どちらもストレスを感じた時の本人の強さに関連した用語です。


ハーディネスは,ストレスに強い性格特性のことです。

レジリエンスは,復元力などを意味し,ストレスなどの状況に対応する力のことです。


どちらもストレスマネジメントには重要なので,しっかり覚えておきたいです。


それでは,今日の問題です。


第32回・問題12 

ストレスに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 コーピングとは,ストレスの原因となる出来事のことである。

2 日常の些細ないらだちごとが積み重なっても,健康を損なうようなストレスは生じない。

3 ストレッサーを制御できるという信念は,ストレスの緩和にはつながらない。

4 アパシーとは,ストレス状態が続いても,それに対処できている状態のことである。

5 ハーディネスとは,ストレスに直面しても健康を損なうことが少ない性格特性である。


カタカナが多い問題です。

カタカナ用語は,勉強しないと意味がわからないため,国家試験の出題に向くと言えます。知識の有無が明確になるからです。


それでは,解説です。


1 コーピングとは,ストレスの原因となる出来事のことである。


コーピングは,ストレスへの対処方略のことです。問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングがあります。


ストレスの原因となる出来事のことは,ストレッサーといいます。


2 日常の些細ないらだちごとが積み重なっても,健康を損なうようなストレスは生じない。


日常の些細なことであっても,それが積み重なることで大きなストレスとなります。


3 ストレッサーを制御できるという信念は,ストレスの緩和にはつながらない。


ストレッサーを制御できるという信念は,首尾一貫感覚(SOC)といいます。

ストレスの緩和につながる感覚です。


首尾一貫感覚(SOC)には,ストレッサーを制御できるという信念「処理可能感」のほかに,自分が置かれた状況を理解できるという信念「把握可能感」,自分が置かれた状況は意味のあるものであるという信念「有意味感」があります。


4 アパシーとは,ストレス状態が続いても,それに対処できている状態のことである。


アパシーは,ストレスが続いたことによって無気力になることです。


5 ハーディネスとは,ストレスに直面しても健康を損なうことが少ない性格特性である。


これが正解です。


ストレスは,人によって感じ方が異なり,ストレスに弱い人もストレスに強い人もいます。

ストレスに強い性格特性がハーディネスです。

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