今回,取り上げる問題は,ストレスをテーマにしたものです。
ストレスが出題される時には,高い確率でコーピングが出題されます。
しかし,今回のテーマは,ストレスではなく「ハーディネスとレジリエンス」です。
どちらもストレスを感じた時の本人の強さに関連した用語です。
ハーディネスは,ストレスに強い性格特性のことです。
レジリエンスは,復元力などを意味し,ストレスなどの状況に対応する力のことです。
どちらもストレスマネジメントには重要なので,しっかり覚えておきたいです。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題12
ストレスに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 コーピングとは,ストレスの原因となる出来事のことである。
2 日常の些細ないらだちごとが積み重なっても,健康を損なうようなストレスは生じない。
3 ストレッサーを制御できるという信念は,ストレスの緩和にはつながらない。
4 アパシーとは,ストレス状態が続いても,それに対処できている状態のことである。
5 ハーディネスとは,ストレスに直面しても健康を損なうことが少ない性格特性である。
カタカナが多い問題です。
カタカナ用語は,勉強しないと意味がわからないため,国家試験の出題に向くと言えます。知識の有無が明確になるからです。
それでは,解説です。
1 コーピングとは,ストレスの原因となる出来事のことである。
コーピングは,ストレスへの対処方略のことです。問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングがあります。
ストレスの原因となる出来事のことは,ストレッサーといいます。
2 日常の些細ないらだちごとが積み重なっても,健康を損なうようなストレスは生じない。
日常の些細なことであっても,それが積み重なることで大きなストレスとなります。
3 ストレッサーを制御できるという信念は,ストレスの緩和にはつながらない。
ストレッサーを制御できるという信念は,首尾一貫感覚(SOC)といいます。
ストレスの緩和につながる感覚です。
首尾一貫感覚(SOC)には,ストレッサーを制御できるという信念「処理可能感」のほかに,自分が置かれた状況を理解できるという信念「把握可能感」,自分が置かれた状況は意味のあるものであるという信念「有意味感」があります。
4 アパシーとは,ストレス状態が続いても,それに対処できている状態のことである。
アパシーは,ストレスが続いたことによって無気力になることです。
5 ハーディネスとは,ストレスに直面しても健康を損なうことが少ない性格特性である。
これが正解です。
ストレスは,人によって感じ方が異なり,ストレスに弱い人もストレスに強い人もいます。
ストレスに強い性格特性がハーディネスです。