2023年9月21日木曜日

国家試験に出題される社会的ジレンマ

 社会福祉士の国家試験に出題される社会的ジレンマの例は,


 ・フリーライダー

・共有地の悲劇

・囚人のジレンマ

 

の3つです。

 

それでは,今日は前説なしに今日の問題です。

 

32回・問題20

次のうち,「囚人のジレンマ」に関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 合理的な仕組みに対して過剰な執着を持つ状況を指す。

2 一定期間,閉鎖的・画ー的に管理された場所で生活する状況を指す。

3 協力し合うことが互いの利益になるにもかかわらず,非協力への個人的誘因が存在する状況を指す。

4 二つの矛盾した命令を受けているため,そのいずれも選択することができない状況を指す。

5 非協力的行動を行うと罰を受け,協力的行動を行うと報酬を得ることで,協力的行動が促される状況を指す。

 

知識ゼロでは,5分の1以上の確率では正解できない問題です。

 

知識なしでも消去できる選択肢が含まれる問題もありますが,そういったものはあまり良い出来ではない問題だと言えます。この問題の出来具合は,中くらいといったところでしょう。

 

それでは解説です。

 

1 合理的な仕組みに対して過剰な執着を持つ状況を指す。

2 一定期間,閉鎖的・画ー的に管理された場所で生活する状況を指す。

4 二つの矛盾した命令を受けているため,そのいずれも選択することができない状況を指す。

 

これらはすべて解説する必要もないほどの嘘の選択肢です。

 

正解は,選択肢4です。

3 協力し合うことが互いの利益になるにもかかわらず,非協力への個人的誘因が存在する状況を指す。

 

囚人のジレンマは,以下のように説明されます。


状況

刑期

2人の刑期合計

ABとも黙秘

いずれも1年

2年

Aが黙秘

Bが自白

A15年,Bは無罪

15

Aが自白

Bが黙秘

Aは無罪Bは15年

15

ABとも自白

いずれも2年

4年


最も利益のあるのは,相棒を信じてABともに黙秘する場合です。

 

しかし,相手を信じれず,自白すると,2人とも黙秘した場合よりも,不利益となります。

 

5 非協力的行動を行うと罰を受け,協力的行動を行うと報酬を得ることで,協力的行動が促される状況を指す。

 

これは,選択的誘因と呼ばれるものです。

 

社会的ジレンマとともに覚えておきたいです。

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