家族の類型は,さまざまなものが出題されてきています。
ステップファミリーというものの出題されたことがあります。
ステップは「義理の」という意味で,再婚した夫婦の以前のパートナーとの間に生まれた子どもを伴った家族のことです。
なお,再婚相手の子は,再婚をもって自分の子になるのではなく,養子縁組することが必要です。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題18
次のうち,直系家族制についての記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 複数の子どもが,結婚後も親と同居することを原則とする。
2 夫婦の結婚とともに誕生し,一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する。
3 跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して,家族が世代的に再生産される。
4 離家した子どもの生殖家族が,親と頻繁な交際や相互援助を行う。
5 親の死亡をきっかけに,財産を均分相続して家族が分裂する。
直系家族制は知らずとも,直系がどのようなものであるかを思いだすことができれば,正解できるでしょう。
それでは,解説です。
1 複数の子どもが,結婚後も親と同居することを原則とする。
これは,複合家族制のことを述べたものです。
2 夫婦の結婚とともに誕生し,一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する。
これは,夫婦家族制を述べたものです。
3 跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して,家族が世代的に再生産される。
これが正解です。
言われてみると「なるほど直系だ」と思えるのではないでしょうか。
4 離家した子どもの生殖家族が,親と頻繁な交際や相互援助を行う。
これは,修正拡大家族のことを述べたものです。
離家した子どもの生殖家族は,核家族のことです。
核家族と修正拡大家族との違いは,核家族は,孤立化しやすいですが,修正拡大家族は,つながりがあるところです。
5 親の死亡をきっかけに,財産を均分相続して家族が分裂する。
これは,複合家族制のことを述べたものです。
〈今日の注意ポイント〉
家族社会学の出題頻度はそれほど高くありません。
そのため,過去問で学ぶには限界があります。
しかし,今日の問題でわかるかもしれませんが,勉強せずとも正解できる問題もあります。
なぜなら,社会学は社会で生じている現象を取り扱う学問なので,用語をよくよく考えてみると「なるほど。そうだ」と身近で実感できるものがあるからです。
重要なことは,決してひるまないことです。