今回は,リハビリテーションがテーマです。
そのうちでも,包括的リハビリテーションとは,機能回復訓練などを行う医学リハビリテーションに,薬物療法や食事療法などを加えたリハビリテーションのことをいいます。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題7
近年のリハビリテーションに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 がんは,リハビリテーションの対象とはならない。
2 内部障害は,リハビリテーションの対象とはならない。
3 脳卒中のリハビリテーションは,急性期,回復期,生活期(維持期)に分けられる。
4 リハビリテーションは,機能回復訓練に限定される。
5 リハビリテーションを担う職種には,言語聴覚士は含まれない。
問題のつくり方があまりに下手なので,知識がなくても答えられる問題かもしれません。
それでは,解説です。
1 がんは,リハビリテーションの対象とはならない。
がんももちろんリハビリテーションの対象です。
リハビリテーションは,機能回復訓練だと思っているとがんは対象にならないと思うかもしれませんが,化学療法などの身体へのダメージを回復するためなどにリハビリテーションは必要です。
2 内部障害は,リハビリテーションの対象とはならない。
〈身体障害者福祉法が規定する内部障害〉
心臓機能障害
腎臓機能障害
呼吸機能障害
膀胱・直腸機能障害
小腸機能障害
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害
肝臓機能障害
この中で,特にリハビリテーションが重要なのは,心臓機能障害に対する心臓リハビリテーション,呼吸機能障害に対する呼吸リハビリテーションです。
3 脳卒中のリハビリテーションは,急性期,回復期,生活期(維持期)に分けられる。
これが正解です。
これを知らなくても正解できるように設計された問題です。
4 リハビリテーションは,機能回復訓練に限定される。
ようやく今日のテーマが登場しました。
近年のリハビリテーションは,機能回復訓練などを行う医学リハビリテーションに,薬物療法や食事療法などを加えた包括的リハビリテーションといいます。
5 リハビリテーションを担う職種には,言語聴覚士は含まれない。
言語聴覚士は,理学療法士,作業療法士と並ぶリハビリテーション専門職です。