今回は,「ニッポン一億総活躍プラン」を取り上げますが,今後,直接的な内容が出題されることはほとんどないでしょう。
こういった問題を解くことの意味は,内容を覚えることではなく,勘を養うためだと言えます。今日の問題については,日本の今を知るという強い意味もあります。
そういったつもりで問題を読んでください。
第32回・問題23
「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年(平成28年)6月閣議決定)の内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域資源の活用や自然環境を活用した第4次産業革命を実現すべきとした。
2 一億総活躍社会を実現するのは,次世代の役割であるとした。
3 地方創生は,一億総活躍社会を実現する上で最も緊急度の高い取組の一つであるとした。
4 一億総活躍社会は,政府に頼らず社会の側の責任において実現すべきとした。
5 「成長」か「分配」かという論争に終止符を打ち,「成長」に重点を置いた施策を推進するとした。
深く考えると正解することができないかもしれません。
正解は,選択肢3です。
3 地方創生は,一億総活躍社会を実現する上で最も緊急度の高い取組の一つであるとした。
地方創生は,一億総活躍社会を実現する上で最も緊急度の高い取組であるかはわからずとも,この問題が出題された当時は,「地方創生」がかなり盛んに叫ばれていたことを想起できたはずです。
悩むのは,選択肢1です。
1 地域資源の活用や自然環境を活用した第4次産業革命を実現すべきとした。
産業革命とは,工業化のことを意味しています。
地域資源の活用や自然環境の活用は,工業化っぽくありません。
第4次産業革命は。ドローンなどの活用です。これなら第4次産業革命っぽいです。
なお,産業革命を学術用語として初めて使用したのは,バーネット夫妻が設立した世界初のセツルメントであるトインビーホールという名称に名を遺す経済学者のアーノルド・トインビーです。