バーンアウトの症状は
1.情緒的消耗感(精神的な疲労などによって,それ以上努力できなくなってしまうこと)
↓ ↓
2.脱人格化(人を物のように扱ってしまうこと)
↓ ↓
3.個人的達成感の低下(自分に対する自信の喪失や仕事などに対するやりがいの喪失)
の順番に現われるとされます。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題13
ストレス反応の1つであるバーンアウトの症状に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 理解と発話の両面での失語症状が生じる。
2 人を人と思わなくなる気持ちが生じる。
3 近時記憶の著しい低下が生じる。
4 視覚的な幻覚が頻繁に生じる。
5 他者との関係を強めようとする傾向が生じる。
バーンアウトは知っていても,バーンアウトの症状については,勉強しないと正しく理解できないものでしょう。
そういった意味では,資格試験には向く出題かもしれません。
それでは,解説です。
1 理解と発話の両面での失語症状が生じる。
失語が生じるのは,脳障害によるものです。
理解の面での失語は,ウェルニッケ失語といいます。
発語の面での失語は,ブローカ失語といいます。
2 人を人と思わなくなる気持ちが生じる。
これが正解です。
人を人と思わなくなる気持ちが生じるのは,バーンアウトの症状のうちの「脱人格化」といいます。
3 近時記憶の著しい低下が生じる。
近時記憶の著しい低下が生じるのは,認知症です。
4 視覚的な幻覚が頻繁に生じる。
視覚的な幻覚が頻繁に生じる疾患の代表は,レビー小体型認知症です。
幻聴が特徴なのは,統合失調症です。
5 他者との関係を強めようとする傾向が生じる。
他者との関係を強めようとする傾向が生じるのは,あえて言えば,境界性パーソナリティ障害と言えるかもしれません。
境界性パーソナリティ障害は,他者から見捨てられたくないなどの気持ちから,逆に他者に対して激しく攻撃するなどの衝動性が特徴です。