今回は社会保障審議会福祉部会に設置された福祉人材確保専門委員会による「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」を取り上げます。
ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について
この報告書を根拠として,令和元年度カリキュラム改正が行われました。
そんなことで,前説なしで今日の問題です。
第32回・問題31
社会保障審議会福祉部会に設置された福祉人材確保専門委員会の「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」(2018年(平成30年))に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 社会福祉士には,地域課題の解決の拠点となる場づくり,ネットワーキングなどを通じて,地域住民の活動支援を行うことが求められている。
2 地域住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みている場合は,社会福祉士はそれを見守ることに専念する。
3 地域課題の解決に必要な新たな社会資源の創出は,社会福祉士の専権的な職務である。
4 地域で表出されにくいニーズの発見は,民生委員に一任する。
5 社会福祉士は,地元の商店や営利企業との連携を控えることとされている。
それぞれの解説をするまでもない問題ですが,一つだけ解説したいと思います。
その前に,この問題の正解は,選択肢1です。
1 社会福祉士には,地域課題の解決の拠点となる場づくり,ネットワーキングなどを通じて,地域住民の活動支援を行うことが求められている。
地域課題の解決の拠点となる場づくりというのかちょっと引っ掛かるかもしれませんが,ほかの選択肢と比べてみると,最も適切なものだと言えるものは,この選択肢しかありません。
解説したいのは,選択肢3です。
3 地域課題の解決に必要な新たな社会資源の創出は,社会福祉士の専権的な職務である。
福祉ニーズを充足するために,時には新たな社会資源を創出することは,ソーシャルワークの機能の一つです。
しかし,社会福祉士は名称独占の資格であり,業務独占ではありません。
そのため,社会福祉士しかできない業務は存在しません。
〈今日の注意ポイント〉
解説したいのは,選択肢3です。
3 地域課題の解決に必要な新たな社会資源の創出は,社会福祉士の専権的な職務である。
福祉ニーズを充足するために,時には新たな社会資源を創出することは,ソーシャルワークの機能の一つです。
しかし,社会福祉士は名称独占の資格であり,業務独占ではありません。
そのため,社会福祉士しかできない業務は存在しません。