今回は,社会的行為理論を整理してみたいと思います。
社会的行為と言えば,ウェーバーとハーバーマスのものが多く出題されていますので,それらは最低でも必ず押さえておくことが必要です。
ウェーバーとハーバーマスの社会的行為
https://fukufuku21.blogspot.com/2022/03/blog-post.html
〈コミュニケーション的行為論〉
ハーバーマスが提唱したものです。
この理論では,社会的行為は,行為者同士がコミュニケーションによってお互いを理解することを目的とするものだと考えます。
〈交換理論〉
ブラウが提唱したものです。
この理論では,社会的行為は,行為者が互いの利益を高めるために交換しあうものだと考えます。
〈集合行動論〉
たくさんの人がいろいろなことを提唱しています。
この理論は,人の集合行動の仕組みとその行為の意味を明らかにするものです。
〈象徴的相互作用論〉
ブルーマーが提唱したものです。
この理論では,社会的行為は,行為者の相互作用によって引き起こされるものであると考えます。
〈主意主義的行為理論〉
パーソンズが提唱したものです。
この理論では,社会的行為は,社会規範(理性や感情などを超えた意志)にしたがって行われるものであると考えます。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題19
次のうち,パーソンズ(Parsons,T.)の社会的行為論として,正しいものを1つ選びなさい。
1 コミュニケーション的行為論
2 交換理論
3 集合行動論
4 象徴的相互作用論
5 主意主義的行為理論
正解は「5 主意主義的行為理論」です。
主意主義的行為理論の主意主義とは,理性や感情などを超えた意志を重視するものです。
なお,理性や感情などを重視することは主知主義といいます。主知主義は覚える必要はありません。
〈今日の注意ポイント〉
社会的行為理論の代表は,ヴェーバーの4類型(目的合理的行為,価値合理的行為,伝統的行為,感情的行為)です。
ダークホースは,ハーバーマスのコミュニケーション的行為です。
これらは絶対に覚えないといけません。
それぞれを友達に簡単に説明できる程度(一言で良い)まで,理解できると完璧です。