2023年9月4日月曜日

小腸と大腸

小腸は,消化と栄養分の吸収を行います。栄養分を吸収する際,水分も吸収します。体内に入った水分のほとんどは小腸が吸収しています。


大腸は,残りの水分を吸収するとともに便をつくります。


それでは,今日の問題です。


第32回・問題3 

消化器の構造と機能に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液には,消化酵素は含まれない。

2 胃粘膜からは,強アルカリ性の消化液が分泌される。

3 膵臓には,内分泌腺と外分泌腺がある。

4 小腸は,水分を吸収しない。

5 胆汁は,胆のうで作られる。


この問題の難易度はかなり高いです。


それでは,解説です。


1 唾液には,消化酵素は含まれない。


唾液には,炭水化物を消化するアミラーゼが含まれます。


ご飯をよく噛んで食べると甘味を感じるのは,アミラーゼの働きによるものです。


2 胃粘膜からは,強アルカリ性の消化液が分泌される。


胃酸と呼ばれるように,胃粘膜からは酸性の消化液が分泌されます。


3 膵臓には,内分泌腺と外分泌腺がある。


これが正解です。


膵臓には,内分泌腺と外分泌腺があります。


内分泌腺には,有名なランゲルハンス島があり,α細胞から血糖値を上げるグルカゴン,β細胞から血糖値を下げるインスリン,などが分泌されます。


外分泌腺からは消化酵素の膵液が分泌されます。


4 小腸は,水分を吸収しない。


水分を吸収するのは,大腸というイメージが強いので,小腸は水分を吸収しないと思ってしまうかもしれません。


しかし,消化管の中の水分のほとんどは,小腸で吸収されます。


大腸は,最後の水分を吸収しています。


5 胆汁は,胆のうで作られる。


この問題が難しいのは,この選択肢です。

胆汁が作られるのは,肝臓です。


胆のうは,胆汁をためておくところです。


もし,胆汁が作られるのが,単一の臓器だったとしたら,胆のうという名称ではなく,「胆臓」という名称になるのではないでしょうか。


しかし,そんな臓器はありません。

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