小腸は,消化と栄養分の吸収を行います。栄養分を吸収する際,水分も吸収します。体内に入った水分のほとんどは小腸が吸収しています。
大腸は,残りの水分を吸収するとともに便をつくります。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題3
消化器の構造と機能に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
1 唾液には,消化酵素は含まれない。
2 胃粘膜からは,強アルカリ性の消化液が分泌される。
3 膵臓には,内分泌腺と外分泌腺がある。
4 小腸は,水分を吸収しない。
5 胆汁は,胆のうで作られる。
この問題の難易度はかなり高いです。
それでは,解説です。
1 唾液には,消化酵素は含まれない。
唾液には,炭水化物を消化するアミラーゼが含まれます。
ご飯をよく噛んで食べると甘味を感じるのは,アミラーゼの働きによるものです。
2 胃粘膜からは,強アルカリ性の消化液が分泌される。
胃酸と呼ばれるように,胃粘膜からは酸性の消化液が分泌されます。
3 膵臓には,内分泌腺と外分泌腺がある。
これが正解です。
膵臓には,内分泌腺と外分泌腺があります。
内分泌腺には,有名なランゲルハンス島があり,α細胞から血糖値を上げるグルカゴン,β細胞から血糖値を下げるインスリン,などが分泌されます。
外分泌腺からは消化酵素の膵液が分泌されます。
4 小腸は,水分を吸収しない。
水分を吸収するのは,大腸というイメージが強いので,小腸は水分を吸収しないと思ってしまうかもしれません。
しかし,消化管の中の水分のほとんどは,小腸で吸収されます。
大腸は,最後の水分を吸収しています。
5 胆汁は,胆のうで作られる。
この問題が難しいのは,この選択肢です。
胆汁が作られるのは,肝臓です。
胆のうは,胆汁をためておくところです。
もし,胆汁が作られるのが,単一の臓器だったとしたら,胆のうという名称ではなく,「胆臓」という名称になるのではないでしょうか。
しかし,そんな臓器はありません。