保健師助産師看護師法(保助看法)では,診療の補助を行うのは,看護師であることを規定しています。
それでは,理学療法士や作業療法士は,診療の補助業務ができなくなってしまいます。
そのために,
理学療法士及び作業療法士法では,
保助看法の規定にかかわらず,診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
と規定しています。
〈医師との関係〉
社会福祉士 |
連携 |
精神保健福祉士 |
指導 |
公認心理師 |
指示 |
一番自由度が高いのは,社会福祉士であることがわかりますね。
それでは,今日の問題です。
第32回・問題74
訪問リハビリテーションを行う際の理学療法士の業務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 処方薬を服用する患者とその家族に対して,服用方法の指導をする。
2 中心静脈カテーテルが挿入された患者に対して,カテーテルを抜去する。
3 人工呼吸器を装着した患者に対して,気管カニューレを交換する。
4 脳梗塞後遺症による筋麻痺の患者に対して,医師の指示の下にマッサージをする。
5 高カロリー輸液を点滴中の患者に対して,輸液の投与量を調整する。
解説するまでもありませんが,一応整理します。
1 処方薬を服用する患者とその家族に対して,服用方法の指導をする。
→ 薬剤師
2 中心静脈カテーテルが挿入された患者に対して,カテーテルを抜去する。
3 人工呼吸器を装着した患者に対して,気管カニューレを交換する。
5 高カロリー輸液を点滴中の患者に対して,輸液の投与量を調整する。
→ 看護師(特定行為研修を受けた者に限る)
4 脳梗塞後遺症による筋麻痺の患者に対して,医師の指示の下にマッサージをする。
→ 理学療法士
「指示の下に」という記述があります。
〈今日の注意ポイント〉
この問題は,理学療法士と作業療法士を混同させるようには,出題されていませんが,多くの場合,この違いが問われます。
決定的な違いは,作業療法士は,精神障害者を対象とするものであることに対して,理学療法士は,精神障害者を対象としないことです。
〈理学療法〉
身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えること
〈作業療法〉
身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせること。