今日は,事例問題です。
前説なしです。
第32回・問題75
事例を読んで,K医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)による終末期のLさんの家族への対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Lさん(58歳,男性)は,末期の肝臓がんであるとの告知を受け,現在入院中である。主治医からK医療ソーシャルワーカーに,Lさんの今後の療養について意思確認をするよう依頼があった。そのため,Lさんの下を一度訪れたが,現段階では決められないとLさんに面接を断られた。そこでK医療ソーシャルワーカーは,Lさんの了承を得た上で家族と面接を行った。
1 Lさんに意思の確認のための面接を断られたため,今後のLさんとの面接を中止すると伝えた。
2 Lさんの人生観や価値観,生き方などを家族から把握することは控えた。
3 Lさんの家族の意見がまとまらない場合,主治医の意見を優先する旨を家族に伝えた。
4 Lさんの意思決定支援を今後どうすべきか家族と話し合った。
5 Lさんの意思を推定する責任が,家族にある旨を伝えた。
正解は,選択肢4です。
本人の意思が明確でない場合には,家族等の役割が重要となります。
このことは,「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の解説に書かれています。
厚生労働省「「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197665.html
〈今日の問題の注意ポイント〉
この問題を正解するためには,特に必要としませんが,意思決定支援等の主なガイドラインを紹介しておきます。
主なガイドライン名 |
障害福祉サービスの提供に係る意思決定支援ガイドライン |
認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン |
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン |
身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン |
対象は異なっても,本人の自己決定を尊重することであることは共通です。
事例問題を解くときは,そこをポイントに答えを探すことになります。