2018年6月20日水曜日

福祉行財政と福祉計画の攻略法~専門職の配置の整理

皆さんが目指している社会福祉士は,福祉の国家資格です。

国家試験を受けるためには,厚生労働大臣が指定する一般養成施設を修了しなければなりません。

福祉系大学では,それぞれの大学のカリキュラムの開講科目を読み替えることによって,受験資格が得られます。

受験資格を得るためには高いハードルが設けられていて,誰でも受験できるものではないにもかかわらず,合格率は約30%です。

合格率があまり高くない理由には,受験する方にあきらめ心があるように思います。

今年2月に行われた第30回国試から5か月が経ちました。

合格できれば良い

ではなく

合格した自分の姿を心に描いて,前を向けて確実に進んでいきましょう。

さて,今日も福祉行財政と福祉計画を続けます。

多くの人は,歴史や人名が苦手だと言います。しかし,出題ポイントは決まっています。

しっかり勉強すれば,確実に他の人と差をつけることができるでしょう。

しかし合格に必要なのは,歴史や人名に関するものに強くなることではなく,法制度をいかに確実に覚えているか,ということにかかっています。

取れる問題は確実に取れることが必要です。

福祉行財政と福祉計画をしっかり勉強していけば,必ず他の科目の実力がアップします。

第31回国試で必ず合格したい方は,そのことを十分意識してほしいと思います。

多くの人は,参考書を購入すると,「人体の構造と機能及び疾病」から学習を始めることでしょう。

今の時点で,心理学理論や社会理論を学んでいる人はペースが遅いです。

まだ精神保健福祉士の資格がなかった頃は,今と科目の配置がまったく違い,社会福祉原論,各分野論,社会保障,地域福祉,援助技術,心理学,社会学,法学,医学,介護といった順番となっています。

学ぶ効果を考えると,よい順番のように思います。

心理学理論や社会理論は後回しにしても良いように思います。

それでは今日の問題です。

第29回・問題45 社会福祉における専門職に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 知的障害者福祉司は,都道府県の設置する知的障害者更生相談所に配置されなければならない。

2 児童福祉司は,社会福祉士として2年以上児童福祉事業に従事した者のうちから任用しなければならない。

3 身体障害者福祉司は,市及び福祉事務所を設置する町村では,その設置する福祉事務所に配置されなければならない。

4 主任介護支援専門員は,保健師,社会福祉士と共に福祉事務所に配置されなければならない。

5 都道府県の社会福祉主事は,都道府県に設置する福祉事務所において,老人福祉法,身体障害者福祉法,知的障害者福祉法に関する事務を行う。

この問題は必ず得点しなければならない問題です。

この手のスタンダードだと思われる問題を確実に得点することが合格するには欠かせません。

しかし,勉強不足の人は引っ掛けポイントにかなりの率で引っ掛けられて得点できないものだったかもしれません。

それでは解説です。

1 知的障害者福祉司は,都道府県の設置する知的障害者更生相談所に配置されなければならない。

これが正解です。知識がある人は,これを見た瞬間に答えが分かったはずです。

一問の問題を解く時間を1分30秒に設定して,タイマーで計りながら解く練習する人がいます。

しかし,それは絶対にやってはいけない勉強法です。

なぜなら

平均すると1分30秒かもしれませんが,すぐ解ける問題もありますし,時間をかける必要がある問題もあります。時間を計るなら,1問ずつではなく,2時間15分で83問を解く訓練です。

多くの人はこれをせずに受験に臨みます。そして焦り,得点できる問題を落とします。

そうならないために,模擬試験は必ず受験することをお勧めしたいです。


2 児童福祉司は,社会福祉士として2年以上児童福祉事業に従事した者のうちから任用しなければならない。

前回の問題と同じタイプの問題です。

社会福祉士は,実務経験がなくても任用されます。実務経験が必要なのは,社会福祉主事です。

よって間違いです。


3 身体障害者福祉司は,市及び福祉事務所を設置する町村では,その設置する福祉事務所に配置されなければならない。

身体障害者福祉司が必置の機関は,都道府県の身体障害者更生相談所です。よって間違いです。

市及び福祉事務所を設置する町村では,任意となっています。


4 主任介護支援専門員は,保健師,社会福祉士と共に福祉事務所に配置されなければならない。

3職種が配置されているのは,地域包括支援センターです。よって間違いです。社会福祉士が必置の機関は,地域包括支援センターしかありません。


5 都道府県の社会福祉主事は,都道府県に設置する福祉事務所において,老人福祉法,身体障害者福祉法,知的障害者福祉法に関する事務を行う。

引っ掛けポイントは,この選択肢です。

都道府県の設置する福祉事務所が所管する法律は,権限移譲によって,福祉六法のうち,生活保護法,児童福祉法,母子及び父子並びに寡婦福祉法の三法となっています。

よって間違いです。

「都道府県の福祉事務所は」ではなく,「都道府県の社会福祉福祉主事は」となっているところが,この選択肢で迷わせるポイントだったと思います。


<今日の一言>

法制度を制したものが国試を制する!!



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