地域共生社会とは,「受け手」「支え手」という関係ではなく,みんながともに地域を作っていく社会です。
社会福祉制度全体に精通したジェネラリストである社会福祉士は,地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たす役割を持つことは間違いありません。
勉強は大変だと思いますが,頑張っていきましょう。
さて,それでは今日の問題です。
第30回・問題36 認知症の人や家族の支援に関わる専門職とボランティアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症サポーターは,地域包括支援センターから委嘱されて活動する。
2 日常生活自立支援事業における専門員は,原則として社会福祉士,精神保健福祉士等であって,一定の研修を受けた者である。
3 認知症地域支援推進員は,都道府県に配置され市町村の医療・介護等の支援ネットワーク構築の支援等を行う。
4 認知症ケア専門士は,認知症ケアに対する学識と技能及び倫理観を備えた専門の国家資格である。
5 介護相談員は,登録を行った後,介護相談員であることを証する文書が都道府県から交付される。
地域共生社会を意識した問題であることが分かるでしょう。
それでは,解説です。
1 認知症サポーターは,地域包括支援センターから委嘱されて活動する。
認知症サポーターは,超頻出です。
今は,1,000万人を超えた認知症サポーターは,なじみ深いものでしょう。
男女別では,男性4割,女性6割,年代別で最も多いのは,70歳代以上です。
キャラバンメイトが開催する認知症サポーター養成講座を受講することで認知症サポーターとなります。よって間違いです。
2 日常生活自立支援事業における専門員は,原則として社会福祉士,精神保健福祉士等であって,一定の研修を受けた者である。
日常生活自立支援事業も超頻出です。
これが正解です。
専門員は,支援計画作成などを行います。
日常の支援を行うのは,生活支援員です。生活支援員には任用資格の定めはありません。
3 認知症地域支援推進員は,都道府県に配置され市町村の医療・介護等の支援ネットワーク構築の支援等を行う。
認知症地域支援推進員はまだ新しいものですが,第28回,第30回に出題されています。
第31回にも出題される可能性は高いです。
認知症のある人を支えるためにネットワークの構築を図る認知症地域支援推進員が配置されるのは,地域包括支援センター,市町村本庁,認知症疾患医療センターなどです。よって間違いです。
4 認知症ケア専門士は,認知症ケアに対する学識と技能及び倫理観を備えた専門の国家資格である。
認知症ケア専門士が出題されたのは,この時が初めてです。
今後はどんな出題のされ方がされるか分かりませんが,国家資格ではなく,日本認知症ケア学会が認定する民間資格です。更新制が設けられているのが特徴です。
5 介護相談員は,登録を行った後,介護相談員であることを証する文書が都道府県から交付される。
介護相談員も頻出です。
研修を受けて市町村に登録します。ケアマネなどとは違って,文書は交付されません。よって間違いです。
厚生労働省によると・・・
介護相談員とは,
介護サービス施設・事業所に出向いて,利用者の疑問や不満、不安を受け付け,介護サービス提供事業者及び行政との橋渡しをしながら,問題の改善や介護サービスの質の向上につなげる。
厚生労働省によると・・・
介護相談員とは,
介護サービス施設・事業所に出向いて,利用者の疑問や不満、不安を受け付け,介護サービス提供事業者及び行政との橋渡しをしながら,問題の改善や介護サービスの質の向上につなげる。
とされていますが,簡単にいうと,介護保険サービス利用者の不満を聞くポランティアのような役割を担います。
介護相談員を条例で定めている市町村は少ないようで,そのためあまり知られていません。
介護相談員は,国試では過度な役割があるように出題されます。
しかし,介護保険サービス利用者の不満を聞くポランティアです。過度な役割はないのです。そういったタイプの問題はすべて間違いです。