2018年6月2日土曜日

国試合格に向けたスタートです!!

第31回国試に向けた参考書類が書店にそろい始めています。

毎年少しずつ出版が早くなってきています。

10年ほど前から比べると実に2か月も早まってきています。

出版社の都合もあるとは思いますが,早くからの勉強が欠かせなくなってきていると言えます。

初期の頃の過去問題集の出版日を見ると,なんと11月となっています。

その頃は,本当に3年間の過去問を3か月集中して勉強すれば合格できたのかもしれません。

しかし,その頃よりも今は解きにくい問題が多くなっています。

組み合わせで間違っているものを選びなさい

といった,今は見られない出題が多くありました。

間違っているものを選ぶ問題よりも正しいもの(適切なもの)を選ぶ問題の方が数倍難しいです。

実際に解いてみれば分かりますが,間違っている問題は間違っている部分を見つけられば答えられますが,正しいものを選ぶ問題はすべての選択肢が正しく見えるからです。

今日から6月です。

第31回国試まで,あと8か月です。

社会福祉士の国試は19科目ありますので,月に2科目以上のペースで勉強することが必要です。

気合いを入れ直して,国試に向かっていきましょう!!

今日も「地域福祉の理論と方法」を取り上げます。

10問出題される科目の特徴は,出題される範囲が広いことです。

専門科目で学ぶ「社会調査の基礎」の知識があって解ける問題も出題されます。

精神保健福祉士も社会調査に関するものが出題基準にありますが,科目にはありません。

その点,社会福祉士の方が地域福祉の理論と方法に関しては有利であると言えます。

それでは今日の問題です。

第27回・問題39 地域における福祉ニーズの質的な把握方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 福祉ニーズの多様性を把握するには,半構造化面接よりも構造化面接の方が適している。
2 グループインタビューは,対象者の考えが他の参加者の意見に左右されるため,個別ニーズ把握が難しく,避けた方がよい。
3 個別インタビューは,自宅などの日常生活空間ではなく,静穏な環境である面接室などの方が必要な情報が得られやすい。
4 個別インタビューの録音は,対象者の抵抗感や警戒感を招くため避けるべきである。
5 住民懇談会は平日だけではなく,日曜・祝日にも開催するなどして,多くの住民の参加を得て福祉ニーズを集約する。

問題の難易度は,そんなに高くはないかもしれません。

社会調査の知識が本当に必要なのは,選択肢1の「半構造化面接」「構造化面接」のみでしょう。

しかし,それも間違い選択肢をつくるときの常とう手段である「よりも」が使われています。

それでは解説です。


1 福祉ニーズの多様性を把握するには,半構造化面接よりも構造化面接の方が適している。

「よりも」があるので,おそらく「半構造化面接」「構造化面接」が逆になっていのではないかと予測できます。

その通り逆なので間違いです。

構造化面接とは,あらかじめ決めておいた質問項目に沿って面接を行うものです。
質問項目以上の情報は得られにくいと言えます。

半構造化面接とは,最初にいくつか質問してから,そこを深めるように自由に語ってもらうものです。
広い情報が得られます。

面接法には,もう一つ「非構造化面接」があります。非構造化面接は,テーマに沿って自由に語ってもらいます。そのため,自由面接法とも言います。


2 グループインタビューは,対象者の考えが他の参加者の意見に左右されるため,個別ニーズ把握が難しく,避けた方がよい。

グループインタビューは,参加者の相互作用を活用したインタビューです。

他の参加者の意見を聞くことで,自分の考えをまとめられたり,意見が促進されたり,といったメリットがあります。よって間違いです。

3 個別インタビューは,自宅などの日常生活空間ではなく,静穏な環境である面接室などの方が必要な情報が得られやすい。

面接室は,対象者にとっては非日常の空間です。リラックスできるのは日常生活空間でしょう。

必要な情報が得られやすいのは,日常生活空間だと言えます。よって間違いです。


4 個別インタビューの録音は,対象者の抵抗感や警戒感を招くため避けるべきである。

録音,あるいはメモの可否についての出題は「社会調査の基礎」では頻出です。

事前に承諾を得るなどの配慮を行うことが必要ですが,避けるべきものではありません。よって間違いです。


5 住民懇談会は平日だけではなく,日曜・祝日にも開催するなどして,多くの住民の参加を得て福祉ニーズを集約する。

開催日を変えることで参加者が変わります。多くの住民の福祉ニーズを集約するには,適切だと言えます。よって正解です。


<今日の一言>

社会福祉士の国試は,19科目あります。しかし,その内容は科目間で重なっているものが多くあります。

最初は難しく感じても,繰り返し勉強することで,知識は必ずつながっていきます。

辛くても繰り返し繰り返し覚えていくことが大切です。

※この投稿は,本来は,2018/06/01にする予定だったものです。

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