2018年11月26日月曜日

地域連携クリティカルパスとは?

保健医療サービスの締めくくりとして,地域連携クリティカルパスを取り上げます。

クリティカルパスには,院内パスと地域連携パスがあります。

院内パスは,入院から退院までのスケジュール表です。

地域連携パスは,地域生活を支えるための医療・介護の役割分担の仕組みです。

それでは今日の問題です。

第29回・問題76 地域連携クリティカルパスに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 連携する機関に保険薬局は含まれない。

2 病院内のチーム医療の推進が目的である。

3 連携する機関の間で診療計画や診療情報を共有する。

4 連携する機関に地域包括支援センターは含まれない。

5 患者が退院する病院の専門職が決定した診療方針に従い,地域の医療機関が診療を行う。

第29回の問題の割に問題文が洗練された感じがしないのは,語尾が統一されていないからでしょう。

また選択肢5が他の選択肢よりも長いのが気になります。

おそらく今後はこのようなスタイルは少なくなるでしょう。

いろいろな参考書にある「いわゆる解答テクニック」といったものは通用しなくなると思います。

具体的には

「のみ」
「すべて」
「断定」

こういったものに間違いが多いという傾向です。

それはさておき解説です。


1 連携する機関に保険薬局は含まれない。

これは間違いです。

保険薬局は服薬指導といった面で重要です。


2 病院内のチーム医療の推進が目的である。

これも間違いです。

病院内で使われるのは院内パスです。


3 連携する機関の間で診療計画や診療情報を共有する。

これが正解です。

患者の情報共有は連携に欠かせません。


4 連携する機関に地域包括支援センターは含まれない。

これも間違いです。

もちろん地域包括支援センターも含まれます。


5 患者が退院する病院の専門職が決定した診療方針に従い,地域の医療機関が診療を行う。

これも間違いです。

こんな役割分担はありません。



<今日の一言>

保健医療サービスは,現行カリキュラムによって加わった科目です。

そのため,初期は医療ソーシャルワーカー系の試験委員が張り切り,問題が難しくなる傾向にありました。

近年は少しずつこなれてきた傾向があります。

それでもまだまだ難しい問題も出題されることもあるでしょう。

しかししっかり勉強するとある程度の点数は取れます。

社会福祉士の国家試験は150問出題されます。

勉強すればするほど不安は高まっていくでしょう。

今まで勉強してきたことの範囲を広げてはいけません。

不安は今まで勉強してきたことを強化することで解消しましょう!!

次回からは,共通科目の最後の科目である「権利擁護と成年後見制度」に取り組んでいきます。

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