2018年11月19日月曜日

保健医療サービスにおける専門職の役割の徹底理解~その2

このブログでは,出題ポイント,覚え方のコツなどをお伝えしています。

勉強が進んでいない

勉強時間が十分確保できないことへの焦りもあることでしょう。

しかし勉強は「どれだけ勉強するか」ではなく,「どんな勉強をするか」が大切です。

実際に勉強時間が長く取れる現役大学生よりも,社会人の方が一般的には合格率が高いです。現役の受験生よりも既卒の方が合格が高い大学もあります。

これは何を意味していると思いますか?

現役の時よりも卒業してからの方が,強く資格を訴求していることに他ならないことのように思います。

心が弱くなりそうになったら,「この資格を取ろうと思ったのはなぜなのか」を思い出してほしいと思います。

そして資格取得に向けた今までの努力を思い出してください。資格取得への強い気持ちは,必ず最後の最後の力となるはずです。


さて,前回から保健医療サービスにおける専門職の役割に取り組んでいます。

前回の問題では,理学療法,作業療法の違い,診療の補助について学びました。

理学療法と作業療法の違いは,作業療法は精神に障害のある者を対象とすることです。

別な言い方をすると以下のようになります。

理学療法は,精神に障害のある者を対象とはしない

診療の補助業務は,医師の指示に基づいて実施されるものです。


それでは,今日の問題です。


第28回・問題74 理学療法士,作業療法士,言語聴覚士に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 作業療法士の行う作業療法は,身体又は精神に障害のある者を対象としている。

2 理学療法士は,診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときであっても,医師の指示が必要とされている。

3 理学療法士の行う理学療法の対象者は,障害支援区分の認定,若しくは要介護認定を受けていることが条件とされている。

4 言語聴覚士は,業務独占の国家資格である。

5 理学療法士,作業療法士の配置が必要とされるのは,病院,診療所に限られる。



これはそんなに難しい問題ではないかと思います。

理学療法と作業療法の違いをしっかり理解していると,すぐに答えが分かる問題ではないでしょうか。

それでは解説です。


1 作業療法士の行う作業療法は,身体又は精神に障害のある者を対象としている。

これが正解です。

精神に障害のある者を対象とするのは,作業療法です。理学療法は精神に障害のある者は対象としません。

絶対に押さえておきたいです。


2 理学療法士は,診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときであっても,医師の指示が必要とされている。

これは間違いです。

またまた診療の補助が出題されました。

医師の指示が必要なのは,診療の補助業務である理学療法の実施に関してです。

診療の補助業務に関して医師の指示が必要なのは,理学療法士に限らず,作業療法士,言語聴覚士,そして看護師も同様です。

しかしそれ以外の業務,例えば看護師なら,療養上の生活の世話に関する業務は,看護師独自の領域となります。


3 理学療法士の行う理学療法の対象者は,障害支援区分の認定,若しくは要介護認定を受けていることが条件とされている。

これは間違いです。

理学療法の対象は,身体に障害のある者です。たとえばけがをした人のリハビリテーションとして理学療法が実施されます。


4 言語聴覚士は,業務独占の国家資格である。

これも間違いです。

業務独占は,その資格を持っていないと業とすることができない資格です。
名称独占は,その資格を持っていないとその名称を使うことができない資格です。

言語聴覚士は,名称独占の資格です。


5 理学療法士,作業療法士の配置が必要とされるのは,病院,診療所に限られる。

これも間違いです。

限られるというところから間違いであると想像はつきますが,介護保険施設,デイケア,訪問看護ステーションなど広く配置されています。


<今日の一言>

理学療法の対象は,身体に障害のある者

作業療法の対象は,身体又は精神に障害のある者

これは絶対に押さえておきたいです。

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