今回から医療法に基づく医療施設に取り組んでいきましょう。
前回まで取り上げていた診療報酬ほどは細かくはありません。
過去に出題されたものをたどっていけば,得点を稼ぐことができる範囲です。
ただし今日取り上げるものは少し難しい問題です。
それでは前説なしに今日の問題を解いてみましょう。
第24回・問題65 医療法上の医療提供施設に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 調剤薬局は,医療法上の医療提供施設には含まれない。
2 病床数が20床未満であっても,病院と名乗ることができる。
3 臨床研修制度成立後は,新たに医籍登録された医師が病院の管理者になるためには,臨床研修等を修了しなければならないと定められた。
4 病院の管理者は,医療の安全を確保するための指針を策定する必要があるが,診療所ではその必要はない。
5 診療所は,療養病床を設けることはできない。
知識ゼロでは解けない問題です。
現行カリキュラム3回目の出題方針が定まっていない時点での問題なので,難しさは倍増です。その理由は後述します。
それでは解説です。
1 調剤薬局は,医療法上の医療提供施設には含まれない。
これは間違いです。
医療法に基づく医療提供施設は,診療所,病院,介護老人保健施設,介護医療院,調剤薬局です。助産院が医療提供施設に含むかは法の解釈によります。解釈によって違いがあるものは絶対に出題されないので,心配ご無用です。
さて調剤薬局です。なぜこの出題があるのかと言えば,調剤薬局が医療提供施設に規定されたのは,平成18年の医療法の改正だからです。
今後は,平成30年から加わった介護医療院が要注意です。
2 病床数が20床未満であっても,病院と名乗ることができる。
これも間違いです。
前回,解説した通り,病院は病床数が20床以上,20床未満は診療所となります。
現在はこのようなタイプの言い回しはされません。勘の良い人なら,「20床未満であっても」という言い回しから,何か裏があると気づいてしまうからです。
今なら,間違い選択肢を作るなら
「医療法では,病床を有するものを病院,病床を有しないものを診療所としている」
といったものになるのではないかと思います。20床未満は有床診療所となるので間違いです。
3 臨床研修制度成立後は,新たに医籍登録された医師が病院の管理者になるためには,臨床研修等を修了しなければならないと定められた。
これが正解です。
この問題の難易度を高めたのは,旧カリキュラム時代も含めてこの時が初めての出題となった臨床研修制度を正解にしたことでしょう。
臨床研修制度とは,平成18年の医師法改正によって義務付けになったものです。
それ以前に医師免許を取得したものは臨床研修を修了したものとみなされます。
平成18年の医師法改正と伴い,病院及び診療所の開設者は,臨床研修を修了していることが条件となっています。
4 病院の管理者は,医療の安全を確保するための指針を策定する必要があるが,診療所ではその必要はない。
これは間違いです。
医療の安全に関する出題は,この後も続きます。医療の安全は医療法の目的の一つだからです。
指針の策定は病院も診療所も策定しなければなりません。
5 診療所は,療養病床を設けることはできない。
これも間違いです。
診療所も療養病床を設けることができます。
診療所が設けることができる病床は,一般病床と療養病床です。
精神病床,結核病床,感染症病床は病院でなければ設けることができません。
<今日の一言>
社会福祉士の国家試験の実施機関である「社会福祉振興・試験センター」は,問題ごとの正解率を重視していると考えられます。
そのため,6割程度の人が正解できる問題を目指して出題しているように思います。
しかし,実際に試験を行ってみると,試験センターや試験委員の思惑と違って,極端に正解率が高かったり,低かったりする問題が生じます。
その結果として,合格基準点を上下させています。
第30回国試のように,合格基準点が極端に上がってしまうと,今後はどんな勉強をしたら良いのか心配になる人も多いかと思います。
しかし,勉強法は今もこれからも一切変わることはありません。
必要なのは,出題基準に示された範囲をしっかり押さえていくことです。
難しい問題が出題されれば,多くの人は正解できません。
簡単な問題が出題されれば,多くの人が正解できます。
合格するために重要なことは,難しい問題を正解するこどはなく,誰もが正解できる問題を自分も正解できる確実性です。
難しい問題が多く出題されれば,合格基準点は下がります。
簡単な問題が多く出題されれば,合格基準点は上がります。
合格基準点の上下はそういった理由です。
ほかの受験者と差をつけるしたら,一つひとつをあいまいにせず,確実な知識にするこどか何よりも大切です。
今日の問題は,難易度が高めでしたが,基本的にはここまで難しくはないです。
あいまいにしないというのは,過去に出題されたポイントを押さえて,覚えていくことです。
参考書の内容を覚えるのは必須です。しかしこれからは最後の仕上げの時期です。
国試でどのように出題されるのかを知って,そのポイントを覚えておくと,得点力は確実に上がります。
これが「あいまいにしない」ということの神髄です。
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